国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

アフリカにおける価値の計量と個別的アカウンタビリティにかんする人類学的研究(2017-2018)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|研究活動スタート支援 代表者 早川真悠

研究プロジェクト一覧

目的・内容

本研究は、南部アフリカ都市部に住む人びとの経済活動について、とくに会計方法(モノの計量、価値の数量化、財産状況の管理)に着目しながら、人類学的調査・研究をおこなう。具体的には、a.ジンバブエ共和国(または南アフリカ)での現地調査、b. 文献調査、c.会計学との比較から、次の3点を明らかにする。
 1.法定通貨の機能と人びとによる使用状況
 2.法定通貨の機能を補完する、代替手段の種類とその使用状況
 3.法定通貨と代替手段を併用した、具体的な経済活動・計量方法と会計方法
以上の作業をとおして本研究では、法的制約や市場原理とは異なる、アフリカの人びと自身の価値の計量基準(「個別的アカウンタビリティ」)を探り、地域経済や地域通貨の可能性について検討する。

活動内容

2017年度活動計画
  1. 現地調査に向けて(おおむね9-1 月):
    ・調査許可申請・取得(現地治安状況の把握、現地機関研究者と連絡)
    ・簿記・会計学にかんする基礎知識習得(民族学博物館共同研究会参加。メンバーの会計学者と意見交換・学術交流。)
    ・ジンバブエのハイパー・インフレにかんして、会計学的観点を踏まえた学会発表と論文執筆。
    ・ジンバブエの貨幣・金融にかんする文献調査(金融政策、ボンド通貨、電子マネーの普及等)
    ・南アフリカの貨幣・金融にかんする文献調査(電子マネー、銀行預金口座の普及状況、国外送金の公式または非公式の手段、ジンバブエ人移民政策等)。
  2. 現地調査(ジンバブエ、南アフリカ)(おおむね2-3月):
    ・ジンバブエにて調査許可取得後、外貨、ボンド通貨、代替手段の流通と使用について、路上商、公務員、会社員、自営業者など幅広く聞き取りをし、概況を把握する。
    ・(ジンバブエ調査許可取得状況によっては)南アフリカのジンバブエ移民コミュニティで調査する。貯蓄、送金、財産の計量・管理の方法について聞き取り調査。ジンバブエ人を対象とした教会礼拝後バザーでの参与観察。