国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

漁場利用の社会史(2008)

科学研究費補助金による研究プロジェクト|研究成果公開促進費(学術図書) 代表者 橋村修

研究プロジェクト一覧

目的・内容

本書の刊行の目的は、学術研究書として出すことで学界への裨益、そして一般読者に対して海・漁業から見た日本の歴史を知ってもらう学問の普及活動の二つの面がある。本書の主たる内容である近世近代の漁場利用、漁業史、漁業権に関する歴史的地理的民俗的な方法を融合した研究は非常に少ない。しかし、近年、水産資源の管理、海をめぐる境界線論争などの解決策として歴史的な動向に学ぶ視座が注目され始め、本書の刊行はタイムリーといえる。
本書は、これまで研究蓄積の少ない近世前後の九州西海岸(五島列島、天草、薩摩)における漁業からみた海面と人との関わりを、地先、沖合、定置の各漁場の特徴に注目しながら論証した。