国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
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館外での出版物

越境する障害者――アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌

2015年3月31日刊行

戸田美佳子 著

明石書店

出版物情報

主題・内容

本書は、カメルーン熱帯林に暮らす障害者の営みを、直接観察を重要視してきた生態人類学の立場から、実証的に明らかにした初めての研究書である。

目次

本書の舞台と主な登場人物の紹介
序章 問題の所在
1 障害における医療モデルと社会モデル
2 アフリカにおける「隠された障害者」像
3 障害者のカテゴリー化とその「息苦しさ」
4 分析の対象――生業とケア
第1章 カメルーン熱帯林に暮らす人びと――調査地の概説
1 「森の世界(ピグミー)」と「村の世界(農耕民)」
2 東部州における社会環境の変容
3 狩猟採集民バカと農耕民の混住村――調査村モンディンディム村
4 本書の主人公たち
コラム(1)ある昼下がりの過ごし方
第2章 障害のフォークモデルと西欧的障害観の移入
1 病気と障害
2 アフリカ諸国における西欧的な障害者の枠組みと政策の移入
3 障害者と慈善活動――カメルーン東部州における取り組みとその影響
4 私たちの障害観とカメルーン農村に暮らす人びとの障害観
コラム(2)カメルーンの車いす事情
第3章 障害者と家族――居住形態と婚姻関係
1 狩猟採集民バカと農耕民の居住形態と婚姻関係
2 障害者の婚姻の選択と同居親族
コラム(3)「マダム」と呼ばれること
第4章 熱帯林に暮らす障害者の営み――生業活動と生計
1 農耕民と狩猟採集民バカの生業
2 農村に暮らす身体障害者の生計手段――広域調査の結果より
3 農耕民・狩猟採集民の障害者の生業活動――参与観察の結果より
4 日常実践におけるケア――生業とその担い手
5 インター・エスニックな生業活動と日常に内在化したケア
コラム(4)病院に行った狩猟採集民ジェマ――ジェマと村人、そして調査者の経験
終章 結論
1 アフリカに「ケア」はあるか?――「ケア」を再考する
2 障害者の越境
3 障害と平等――障害の「息苦しさ」の正体
4 共同性と対等性が織りなす社会へ