国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館論集(みんぱく論集)

『国⽴⺠族学博物館論集』は、本館における機関研究や共同研究の成果を研究者コミュニティーと社会にひろく公開することを目的とし、シリーズとして外部出版しています。出版は不定期。
[1]生業と生産の社会的布置―グローバリゼーションの⺠族誌のために

【最新号】2012年3月30日刊行

松井健・野林厚志・名和克郎 共編

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出版物情報

主題・内容

2006 年から2009 年にかけて実施された同タイトルの共同研究会の成果論集。本研究会の成果はすでに昭和堂より編者を同じくする『グローバリゼーションと〈生きる世界〉―生業からみた人類学的現在―』(2011)が刊⾏されており、本書はそれと対をなす成果論集である。今、現実に生じている現象をフィールドワークにもとづく⼒強い記述と分析とでとらえた諸論考は、近年の⺠族誌ではややもすれば形式的に扱われがちであった生業という主題が有する問題群を洗いなおすとともに、グローバリゼーションを望⾒することで、生業概念そのものを肥沃にし、生業研究には関連諸領域が接合しあっていることを明確に⽰している。

目 次

<序章>「生業と生産の社会的布置」と⺠族誌という企図 松井健
<第Ⅰ部> 今⽇的変容――主体性と能動性
第1章 チャングリヤール達の100年――ネパール、ビャンスにおける生業と生産の展開と変容―― 名和克郎
第2章 「エランドの⾁も、ウシのミルクも」――狩猟採集⺠サンの多様な生計維持活動―― 丸山淳子
第3章 ⾥海の多⾯的関与と多機能性――沖縄県恩納村漁協の実践から―― 家中茂
<第Ⅱ部>「伝統」との連接と離接
第4章 漁師と船乗り――マダガスカルとモザンビークにおける漁村伝統の対照性―― 飯田卓
第5章 ⻄アフリカ・サヘル帯における農村の生業を⽀える伝統的慣⾏と⾷料不⾜の拡⼤ ⼤山修一
第6章 アオバナのゆくえ――地域農業と特産物の変容―― 落合雪野
<第Ⅲ部モノを介する関係性から>
第7章 ⼯芸生産をめぐる⺠族間関係――台湾におけるマジョリティとマイノリティの相互作用―― 野林厚志
第8章 スーヴニールの交錯とダイナミズム――アジア⼯芸の拡散変容の一側⾯――松井健
第9章 グローバル時代を生きる錦鯉――⽇本文化の拡散と脱国籍化、現地化――菅豊
<第Ⅳ部> グローバリゼーションを超える構想⼒
第10 章 純粋贈与されるゾウ――バカ・ピグミーのゾウ⾁⾷の禁止とシェアリングをめぐる考察―― 安岡宏和
第11 章 マルチチュードの絶対的⺠主主義は可能か? ――カナダ・イヌイトの生業からみる生政治的 生産の可能性――⼤村敬一
第12 章 市場経済に潜り込む生業世界――⻄ケニア山村の21 世紀――松田素二
跋 野林厚志
索引