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国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)

No.44 2002年ソウルスタイル ─ 研究と展示の評価 ─

2003年12月26日刊行

朝倉敏夫・林史樹・金香来 編

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刊行の目的および意義
2002年は「日韓国民交流年」であった。この年を記念して、韓国国立民俗博物館と国立民族学博物館では、ソウルにおいて「近い隣の国、日本」展を、大阪において特別展「2002年ソウルスタイル―李さん一家の素顔のくらし」を共同で開催した。
この「2002年ソウルスタイル」展について、展示の基礎となる研究をはじめ、それらの研究をどのように展示するのか、展示を通してどのような教育がなされるのかなど、さまざまな試行錯誤と実践が行われ、これらについて総括しておきたいと考えた。
そこで、本館におけるさまざまな集会の場を通し、研究、展示、教育などの角度から、この展示をめぐる反省と評価を行った。本報告書は、これらの場において出された反省と評価を総括したものであり、以下の三部から構成されている。
一部は、研究フォーラム推進プログラムの一つとして2002年7月13日・14日に開催した国際シンポジウム「現代韓国社会における生活文化の研究とその方法:『2002年ソウルスタイル―李さん一家の素顔のくらし』展を通して」での発表と、その後に参加者から提出していただいたコメントである。
二部は、2002年10月16日に開催された第146回研究懇談会「展示の評価―2002年ソウルスタイル」の報告である。
三部は、共同研究「韓国現代生活文化の基礎的研究」において、展示終了後に開催した共同研究会での発表・報告である。
なお、本館と共同開催した韓国国立民俗博物館の「近い隣の国、日本」展についても、国際シンポジウムがソウルで開かれ、その日韓両国語による報告書『2002国際シンポジウム「近い隣の国、日本」―韓国における日本文化の表象』(国立民俗博物館、2002年12月)が刊行されている。この報告書とあわせて本報告書が、今後の日韓の博物館展示交流、文化交流の発展のために役立つことを願っている。

目次
はじめに
朝倉敏夫・林史樹・金香来

第I部 シンポジウム:現代韓国社会における生活文化の研究とその方法
プログラム
館長挨拶:シンポジウムに向けて
石毛直道
趣旨説明:生活文化と生活財調査
朝倉敏夫

<発表>
展示のモダニズム
特別展「2002年ソウルスタイル ─ 李さん一家の素顔のくらし」を巡って
中西 啓
韓国研究におけるモノ研究と生活財調査
岡田浩樹
韓国における生活文化研究と生活財生態学
周 永河
アパート空間での「もの」配列を通した生活文化の解釈
李 煕奉
消費文化の浸透と政策と人の選択
「李さん一家」展と離島の生活文化の比較から見えてくるもの
鈴木文子
文化的存在としての「もの」
博物館展示と関連して
金 柄徹

<コメント>
文化展示とアフォーダンス
「ものが語る」というディスコースをめぐって
林 史樹
展示における資料の悉皆的拡張と生活空間再現の可能性
笹原亮二
博物館の資料収集と展示を目的とした生活財調査の活用
金 時徳
「2002年ソウルスタイル」展と韓国の生活文化史研究
林 慶澤
家政学と生活文化研究の関係性
池 倫映
生活財生態学と民間信仰研究
呉 文仙
「2002年ソウルスタイル」展から得た教訓
李 文雄

第II部 研究懇談会:展示の評価
展示会の全体像について
朝倉敏夫
展示デザインについて
大野木啓人
ボランティア活動に参加して
黒田和男
ハングル教室に参加して
李 昌勲
在日韓国人と「2002年ソウルスタイル」展
金 昌代

第III部 共同研究会:展示会をめぐって
大学「朝鮮文化基礎論」教育と「2002年ソウルスタイル」展
島村恭則
大学の韓国語教育と「2002年ソウルスタイル」展
金 美善
観覧者が見た「2002年ソウルスタイル」展
女子大生の感想文から
金 香来
図録を通して「2002年ソウルスタイル」を覗く
洪 賢秀
「ワークシート」は、こうして生まれた
金 相文
日韓共催展を終えて
吉本 忍

あとがき
朝倉敏夫

資料 新聞・雑誌で紹介された主な「2002年ソウルスタイル」展の関連記事

 
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