国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)

No.56 国立民族学博物館を活用した異文化理解教育のプログラム開発

2005年8月4日刊行

森茂岳雄 編

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刊行の目的および意義
本書は、2003年度と2004年度に行われた国立民族学博物館の共同研究「国立民族学博物館を活用した異文化理解教育のプログラム開発」(研究代表者:森茂岳雄中央大学教授、民博客員教授)の研究成果報告書である。
本プロジェクトは、様々な角度から教育メディアとしての民博の可能性を探り、博学連携のあり方を考え、民博を活用した異文化理解教育のプログラムを開発、実践し、その成果を教育現場に還元することを目的としてなされた。そのため、これまでの民博の共同研究ではみられなかった民博の人類学研究者、学習プログラムを開発し実践する小・中・高等学校の教師、その両者をつなぐ大学の教育学研究者という異業種間のコラボレーションによって進められた。このような学校現場を巻き込んだ共同研究は民博では初めての試みであり、今後の民博の共同研究の一つの新しい方向性を示したといえる。
また学校現場においても、小・中・高等学校といった異なる校種や、社会科、地理歴史科、公民科、音楽科、技術・家庭科といった異なる教科の教師がディスカッションを通して課題を共有し、プログラムを作成することは稀であった。その意味で教育研究の新しい可能性を探ることにもなった。
現場の先生方のさまざまな授業実践を通して、学習者が多くのプロダクト(作品)を生み出した。共同研究では、研究期間を延長し、本報告書の出版とあわせて、民博において本年の7月28日から9月5日まで子どもたちの作品を展示する企画展「学校がみんぱくとであったらー博学連携の学びと子どもたちの作品展ー」を開催する予定である。また、この企画展と連携して「博物館を活用した国際理解教育」をテーマに日本国際理解教育学会と民博との共催で教員向けワークショップを2005年8月4日に行い、本書を活用する予定である。

目次

はしがき
森茂岳雄

序論 国立民族学博物館を活用した異文化理解教育のプログラム開発-学びのメディアとしての民博の可能性-
森茂岳雄

第一部 民博を活用した学習プログラムの開発と実践
博物館を利用した「鑑賞」と「表現」による異文化理解教育-4年生図工科「願いを込めた仮面をつくろう」のとりくみから-
佐藤優香・八代健志
楽器展示を活用した音楽活動の授業づくり
付:みんぱっく「ソウルスタイル」を活用した総合学習の実践
居城勝彦
民博との連携を生かした異文化理解教育のカリキュラムづくり
-砂絵を用いた小学校図画工作の実践と10の活動例-
中山京子
国立民族学博物館ハンズ・オン「ものの広場」を活用した学習プログラムの開発と実践I(理論編)-博物館展示資料への材料からのアプローチ-
今田晃一
国立民族学博物館ハンズ・オン「ものの広場」を活用した学習プログラムの開発と実践・(実践編)-博学連携による「ミニ博物館」づくりから国際理解へ-
木村慶太
国立民族学博物館をクラブ「かるちゃんぷる」の活動に活かす
織田雪江
民博を修学旅行の事前学習に活用する-世界史Aの授業や「総合的な学習の時間」を通して-
柴田 元
単元「『大航海時代』以後のヒトの移動やモノの交流は、人々に何をもたらしたか?!」の開発-「アメリカ展示」を高校世界史のカリキュラムに位置づけて-
田尻信壹

第二部 アウトリーチ教材の開発・実践と展望
コミュニケーションツールとしての「みんぱっく」-ミュージアム・アウトリーチキットの可能性-
佐藤優香
博物館資料を用いたアウトリーチ・プログラムの新視点
高橋順一
多文化社会アメリカ理解のためのトランクキット教材の開発と実践-博物館をトランクへ-
森茂岳雄・中山京子

第三部 博物館を活用した学びの環境と方法のデザイン
博学連携と博物館教育の今日的課題-近代学校の問題点を超えて-
小笠原喜康
経験のパブリッシング
上田信行

あとがき

 
『国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)』へのお問い合せ:
国立民族学博物館 編集室
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
Fax: 06-6878-7503
email: hensyu@idc.minpaku.ac.jp
(No.1~No.43は非売品)