国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)

No.62 キリスト教と文明化の人類学的研究

2006年10月10日刊行

杉本良男 編

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刊行の目的および意義
 本論集は、国立民族学博物館共同研究「キリスト教と「文明化」の人類学的研究」の研究成果である。
 本共同研究は、人類学が主な研究対象としてきた地域におけるキリスト教・ミッションの活動が、現地社会にどのような影響を与え、またその結果どのような問題を引き起こしているかについて、各地域の事例から比較検討しようとするものであった。
 研究代表者の杉本は、すでにキリスト教の人類学的研究に関して、1990年から共同研究、シンポジウムを行ってきた。その成果の一部は『福音と文明化の人類学的研究』(国立民族学博物館研究報告31、2002年)、『宗教と文明化』(ドメス出版、2002年)としてすでに公刊されている。本論集は前2書につづく成果公刊であるが、とくに、現地社会の状況に精通し、また現地の社会・文化の全体性をつねに意識しながら、キリスト教ミッションの活動を、さまざまな角度から検討しようとする人類学的な試みは、現地社会での経験から西欧的知の体系を相対化しようとするものであるところに重要な意義がある。
 なお、本書は、国立民族学博物館調査報告シリーズで公刊された『福音と文明化の人類学的研究』(2002年)の続編として位置づけられる。
目次
杉本良男

l.
開港期日本におけるキリスト教の宣教師活動の状況
クネヒト・ペトロ
ホーリネス・リバイバルとは何だったのか
池上良正
日本の近代製糸業とキリスト教精神
杉本星子

ll.
「宣教の歴史」から「土着教会成立の歴史」へ -A.ティペットの戦略-
橋本和也
「近代主義者」と邪術 -ヴァヌアツ・トンゴア島民SDA信徒の邪術受容をめぐって
白川千尋
キリスト教とアボリジニの葬送儀礼 -変化と持続の文化的タクティクス-
窪田幸子
「改宗の人類学」序説 -マレーシア、オラン・アスリ社会におけるキリスト教化
信田敏宏

III.
Art and Christian Conversion in the Jesuit Missions on the Spanish South American Frontier
Akira Saito
福音伝道と文明化 -19世紀アメリカン・ボードの宣教思想-
中山和芳

IV.
宣教師による現地語のテキスト化とその帰結 -インド,ゴア州におけるキリスト教徒の言語アイデンティティの現在
松川恭子
文明化としてのキリスト教的制度性への改宗 -インド・ケーララ地方におけるヒンドゥー教の再編成をめぐって
小林勝
文明化への眼差し -アナガーリカ・ダルマパーラとキリスト教
川島耕司
所謂典礼問題に就て
杉本良男

 
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