国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)

No.75 Труды о Монголии и для Монголии Том 3 (часть 2)

2008年3月21日刊行

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刊行の目的および意義
モンゴル国は旧ソ連につづいて世界で2番目に社会主義を採用し、ロシア人の指導のもとでさまざまな側面での近代化を果たしてきた。科学部門もまた同様に、ロシア人研究者の指導のもとでアカデミーを設立するなど、創設されてきた。そのなかで、A.D.シムコフ(1902-1942?)はきわめて大きな役割を果たした人物である。彼は、中国内蒙古自治区西部にあるカラホト遺跡の調査に際して考古学者コズロフに同行して1920年代に初めてモンゴルを訪れて以来、モンゴルでの調査に没頭した。
モンゴル衣装を身につけ、モンゴル語を話す彼は「黄毛のダムディンスレン」としてモンゴル人から親しまれた。スターリン時代に粛清されて、1938年にモスクワへ拉致されるまで、モンゴル各地を調査し、その自然地理について大部の著作をあらわし、全国地図および地図帳を製作した。また同時に、国境の確定や県庁所在地の選定などにかかわった。地理学者としてのこうした仕事のほかに、民族学的資料についても記録を残している。
とくに、1930年代、モンゴル国中央部での遊牧に関する調査は、社会主義的集団化が本格的に開始される以前の実態を今日に伝えるという点で、ほとんど唯一の資料として注目されてきた。しかし、こうした資料は、ロシア語の古い雑誌に記されていたり、手記としてモンゴル国アカデミー地理学研究所に残されていたり、一般にはきわめて入手しにくいまま散逸している状態であった。
こうした散逸資料を、上述の地理学研究所のご厚意と、シムコフの娘であり現在アメリカに在住しているナターシャさんらのご協力により、収集したものである。整理にあたっては、孫であるバヤラー氏(元外国人客員教員)が尽力した。
第3巻第2分冊は、シムコフの牧畜、地理などの主要な著書や論文以外の多方面にわたる文書類を集めたものである。自然から人文社会現象まで多方面での現地調査に基づいて、行政に各種の提案をしていたことがわかる。いわば社会主義的近代化の過程で、外国人研究者がどれだけインテンシブな調査をおこない、内なる目をもちつつ、実践的にも参画していたかが知れる貴重な内容となっている。
なお、重要な地図として、3種(全国地図特大1枚、地図帳35面、植生図1枚)をCDとして添付。
また、索引についても、第1巻(SER66号)の巻頭言で言及しているとおり、本書末尾に付す。

 
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(No.1~No.43は非売品)