国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)

No.127 近代社会における指導者崇拝の諸相

2015年3月25日刊行

韓敏 編

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目次

序論 近代社会の指導者崇拝に関する人類学的アプローチ
 ……………… 韓敏
 1.指導者崇拝―20 世紀の近代国家における文化的,政治的現象
 2.複数の地域と異なる社会体制からの比較
 3.指導者崇拝の共通点
  3.1 指導者崇拝の温床―ナショナリズム
  3.2 カリスマ性
  3.3 政党や政権内部から一般社会へ
 4.おわりに―指導者崇拝の行方
第1章 近代中国の孫中山崇拝
 ……………… 陳蘊茜著/ 徐素娟訳
 1.政権の合法性と孫文というシンボルの構築
 2.国民政府と孫文崇拝の普及
  2.1.祝祭日における孫文シンボルの構築
  2.2.空間における孫文シンボルの表象
  2.3.儀礼からみる孫文シンボルの発信
 3.孫文崇拝と近代国家のアイデンティティ
 4.おわりに
第2章 近代中国における毛沢東崇拝の成り立ち
 ……………… 韓敏
 1.はじめに
 2.権力と個人崇拝
  2.1 中国の社会実情にあう農民運動と土地革命の提唱
  2.2 農村・農民重視の戦略と戦術
 3.マルクス主義の中国化と毛沢東思想の形成
 4.毛の肖像,グッズ,題字と歌謡からみる社会への浸透
  4.1 公的空間における毛沢東肖像の使用
  4.2 題字
  4.3 歌の中の毛沢東
 5.外国人ジャーナリストによる記述
  5.1 軍・政府・党におけるカリスマ指導者
  5.2 伝説の記述
 6.おわりに
第3章  モンゴルの民族英雄としてのスフバータルとウランフ
 ……………… ナサンバヤル著/ 徐素娟訳
 1.序文:問題提起
 2.歴史人物としてのスフバータルと歴史記憶の中のスフバータル
 3.歴史人物としてのウランフと歴史記憶の中のウランフ
 4.考察:比較のパースペクティブ
第4章  ルーマニアにおける二つの指導者崇拝―コドレアヌとチャウシェスク
 ……………… 新免光比呂
 1.はじめに
 2.コドレアヌと指導者崇拝
  2.1 レジオナール運動とは
  2.2 使命の自覚
  2.3 組織と行動
  2.4 不可解な死と政治的挫折
 3.チャウシェスクと指導者崇拝
  3.1 チャウシェスク体制とは
  3.2 権力への道
  3.3 権力の強化
  3.4 権力の肥大,そして個人崇拝へ
 4.個人崇拝・イデオロギー・社会
  4.1 二つの近代化
  4.2 ルーマニアにおける社会運動と農村
  4.3 ルーマニアの政治文化と宗教
 5.おわりに
第5章 西アフリカにおける指導者崇拝
 ……………… 竹沢尚一郎
 1.はじめに:問題の所在
 2.指導者崇拝の二つのタイプ
 3.ゴールドコースト(ガーナ)とンクルマの経歴
 4.パンアフリカニズムの旗手としてのンクルマ
 5.独立までのコートジボワールとウフェ=ボワニの歩み
 6.ウフェ=ボワニ政治とその評価
 7.おわりに:西アフリカにおける指導者崇拝
後書き
 ……………… 韓敏
付録 研究フォーラム参加者とプログラム
索引
執筆者紹介
 

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