国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館調査報告(Senri Ethnological Reports)

No.141 アーミッシュたちの生き方――エイジ・フレンドリー・コミュニティの探求

2017年3月30日刊行

鈴木七美

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目次

序章
 Ⅰ 現代社会におけるコミュニティへの関心
 Ⅱ 多様なコミュニティの創出者アーミッシュたち
 Ⅲ ライフコースにおけるウェルビーイングへの問い
 Ⅳ 現地調査と本書の構成
  1 現地調査
  2 本書の構成
第1章 様々なアーミッシュたちの登場――信仰表現としての生活実践の選択
はじめに
 Ⅰ 教会――共にウェルビーイングを問い続ける人々
  1 再洗礼派の起源――信教の自由と信者の交流としての教会
  2 聖書に基づく新しい共同体――教会の実践
  3 聖書の解釈と再洗礼派の系譜
 Ⅱ 迫害とマイグレーション
 Ⅲ オルドヌング――検討され続ける規律
  1 馬車で行ける距離にいること
  2 礼拝とフェローシップ・ミール
 Ⅳ 教会と様々なグループの登場
  1 三つのカテゴリー
  2 ミーティングハウス・アーミッシュ――アーミッシュ・メノナイト
  3 現代文明の適用に関する議論
  4  教会精神の共有とアーミッシュへの回帰――ニューオーダー・アーミッシュとアーミッシュ・ブラザフッド
  5 シャニング――アーミッシュ・メノナイトのエイダ・フィッシャーの経験
 おわりに
第2章 学びの意味の探求
 はじめに
 Ⅰ オールドオーダー・アーミッシュのワンルームスクール
 Ⅱ ライフコースと若者期
 Ⅲ ワンルームスクールで学ぶオールドオーダー・アーミッシュの子どもたち
 Ⅳ アーミッシュ・メノナイトの教育――教会学校とホームスクール
  1 アーミッシュ・メノナイト教会と教育――教会が運営する学校
  2 アメリカ合衆国におけるホームスクールの展開
  3 アーミッシュ・メノナイトのホームスクール実践
 Ⅴ ライフロング・ラーニング――語り合い共に考える
  1 議論と学び――コミュニティの「手入れ」
  2 価値観と居場所――つくられ続ける新しいアーミッシュ教会
 おわりに
第3章 エイジング・イン・プレイスの実践――生きる場を慈しむ時間
 はじめに
 Ⅰ 相互扶助の信念と実践
  1 再洗礼派における無抵抗・非暴力・平和主義とケア
  2 相互扶助――頼り頼られる決意
 Ⅱ 共に働く
  1 農業と協働
  2 時間を共有する家族とコミュニティ
  3 広がるコミュニティと交流・包摂
 Ⅲ いつでも会えるところにいる人々――ケアとコミュニケーション
  1 グロースドーディ・ハウス――様々な共棲に開かれた大きなおじいさんの家
  2 外に開かれた家
 Ⅳ 非暴力・平和主義とケア空間の開発
  1 無抵抗の展開――良心的兵役拒否と代替活動
  2 代替活動の経験を生かしたケアの構想
 Ⅴ 高齢者のウェルビーイングに資する住居から街の構想へ
  1  アメリカ合衆国における高齢者のウェルビーイングと終の棲家としての複合施設
  2 多様なコミュニティに関わり続ける暮らし
 おわりに
第4章 ケアと楽しみと居場所――パッチワーク・キルトのある生活
 はじめに
 Ⅰ アーミッシュ・キルトのストーリー
  1 アーミッシュ・キルト
  2 地域の特徴というストーリー
  3 変化するキルト文化
 Ⅱ キルトに纏わる物語
  1 自然環境や生活をモチーフにしたキルトと裁縫道具
  2 人生のみちゆきを表現するキルト
  3 信念を表現するキルト
 Ⅲ キルトと居場所
  1 ボランティアと多世代協働のミーティング・ポイント
  2 観光資源としてのキルトと生きる場の拡大
  3 習慣としてのキルトの楽しみ
 おわりに
第5章 遙かな人々とのコモンズへ――テンサウザンド・ヴィレッジズの物語
 はじめに
 Ⅰ 手作りの楽しみからケアへ
  1 手作りの楽しみ
  2 宗教的信念に基づく社会正義に根ざした開発
 Ⅱ テンサウザンド・ヴィッレッジズの歴史と目的
  1 テンサウザンド・ヴィッレッジズとの出会い
  2 メノナイトの一女性のアイディア
  3 目的と方針
  4 TTVの展開
 Ⅲ 多様なストアの役割
  1 カンパニーストア
  2 コントラクトストア
  3 フェアトレード・フェスティバルセール
 おわりに
終章――ウェルビーイングとエイジ・フレンドリー・コミュニティ

引用文献
謝辞
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