国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館研究報告 1983 9巻2号

目 次
部族社会における近代政治の過程
畑中幸子
197
中部日本白山麓住民の季節的放浪慣行
―牛首地区の事例を中心に―
千葉徳爾
三枝幸裕
253
会話場面における人の概念の類型論(ll)
―その類型と類型の世界的分布―
吉田集而
307
ウラル語族における等位表現の類型
庄司博史
424
ベリンジアからみた新大陸文化起源の諸問題
小谷凱宣
489
彙 報
 
521
国立民族学博物館研究報告寄稿要項
 
527
国立民族学博物館研究報告執筆要領
 
528


BULLETIN OF THE NATIONAL MUSEUM OF ETHNOLOGY Vol. 8 No. 2 1983

HATANAKA, Sachiko
Political Process in Stateless Societies of the New Guinea Highland
197
CHIBA, Tokuji
SAIGUSA, Yukihiro
Seasonal or Habitual Movement of Swidden Cultivation in the Uplands Surrounding Mt. Hakusan, Central Japan
253
YOSHIDA, Shuji
Typology of Person Category in Deixis(ll)
―The Types of Person Category and It’s Distribution in the World―
307
SHOJI, Hiroshi
Typology of Coordination in the Uralic Languages
424
KOTANI, Yoshinobu
Problems of New World cultural origins as seen from Beringia
489


 

部族社会における近代政治の過程
畑中 幸子*
Political Process in Stateless Societies of the New Guinea Highlands
Sachiko HATANAKA
 
*金沢大学教授,国立民族学博物館併任教授

はじめに
1. 部族社会
歴史的背景
高地周縁部の社会
高地社会
リーダーシップ
経済の変化
2. 政治の発展
地方行政評議会
政治文化
独立への道
権力への競争と政治の不在
3. 地方分権と地方自治
地方分権の前提
シンブー州(チンブー)の実態
地方自治と社会秩序
地方自治の崩壊
4. エピローグ

 

中部日本白山麓住民の季節的放浪慣行
―牛首地区の事例を中心に―
千葉 徳爾* 三枝 幸裕**
Seasonal or Habitual Movement of Swidden Cultivators in the Uplands Surrounding Mt. Hakusan, Central Japan
Tokuji CHIBA and Yukihiro SAIGUSA
 
*明治大学文学部,国立民族学博物館共同研究員
**明治大学文学部

Ⅰ.研究の目的と分担
Ⅱ.課題と方法
Ⅲ.文献にみる牛首乞食
Ⅳ.聞きとりによる牛首乞食と小原の乞食
A. 牛首乞食の発生と分類
B. 牛首乞食の出てゆく地方とそこでの生活
C. ムラウチコジキについて
D. 牛首乞食の消滅事情
E. 西谷小原と小原の乞食
E-1.小原における乞食の分類とその契機
E-2.服装・時期・期間
E-3.乞食をする対象地と乞食方式
E-4.宿泊場所とヤドとの関係
E-5.貰い米の運搬と処理
E-6.村内乞食の問題
Ⅴ.その他の白山周辺の乞食行為事例
A.西谷須納谷集落の場合
B.小池地区と打波乞食
C.石徹白村と石徹白の乞食
Ⅵ.食を施した平地人の行動と心意
A.九頭竜川流域の平地農民
A-1. 大野盆地
A-2.福井平野の住民
B.手取川流域その他の平地農民
B-1.加賀市三木町
B-2.加賀市分校町
B-3.能美郡辰口町山田
B-4.能美郡寺井町寺井
Ⅶ.資料の確実性と価値の評価
Ⅷ.資料の分析と論議
Ⅸ.むすび

 

会話場面における人の概念の類型論(ll)
―その類型と類型の世界的分布―
吉田 集而*
Typology of Person Category in Deixis (ll)
―The Types of Person Category and It’s Distribution in the World―
Shuji YOSHIDA
*国立民族学博物館第2研究部

0. はじめに
1. 方法論
1.1. 資料
1.2. 表記法
1.3. 人称と数のとりあげ方
1.4. 基本的類型と派生的類型
2. 類型論
2.1. 基本的類型
2.2. 派生的類型
2.2.1. 派生的ND型
2.2.2. 派生的Dns型
2.2.3. 派生的Ds型
2.3. 2数性卓越型
3. 分布論
3.1. 各論
3.1.1. オセアニア
3.1.2. ユーラシア
3.1.3. アフリカ
3.1.4. アメリカ
3.1.5. 未分類語
3.1.6. Pidgin English
3.2. 総論
4. おわりに

 


ウラル語族における等位表現の類型
庄司 博史*
Typology of Coordination in the Uralic Languages
Hiroshi SHOJI
*国立民族学博物館第3研究部

Ⅰ.はじめに
Ⅱ.等位接続について
Ⅲ.ウラル語族と等位表現の分類
1. ウラル語族
2. ウラル系諸語の等位表現の分類
Ⅳ.ウラル語族の等位表現
1. 同一形態素をもつ名詞の並置
2. 同一形態素をもたぬ名詞の並置
3. 数標示素を用いるタイプ
4. 従格(具格)を用いるタイプ
5. 具備形容詞派生接辞を用いるタイプ
6. 附加・強意の後接辞を用いるタイプ
7. 自律小辞的等位詞を用いるタイプ
8. 借用語に起源をもつ等位詞を用いるタイプ
Ⅴ.結論

 

ベリンジアからみた新大陸文化起源の諸問題
小谷 凱宣*
Problems of New World cultural origins as seen from Beringia
Yoshinobu KOTANI
*国立民族学博物館第1研究部

Ⅰ.はじめに
Ⅱ.ベリンジアの古環境
1. 渡来経路の問題
2. 約20,000年前以降の自然環境
(1) ウィスコンシン氷河期最寒期
(2) ウィスコンシン氷河期最末期
(3) 沖積世初頭
Ⅲ.「先パレオ・インディアン文化」
Ⅳ.パレオ極北文化
Ⅴ.まとめ