国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

河上(小谷)幸子

平成20年3月学位取得(現京都外国語大学 専任教員)

総研大・民博で私が過ごした六年間は、贅沢で有り難い時間であった。その理由は3つある。まずひとつ目は、フィールドワーク中心の学生生活を支えるサポート体制が整っていたこと。特に私が在学中は、ビデオカメラなどの機材は個人で購入しなくても、借りることができる制度があり助かった。次にふたつ目の理由としては、多様な見解を受け入れてくれる研究環境で、研究に取り組めたこと。民博の院生ゼミは研究室ごとではなく、院生全体で行われる。それゆえに、発表者はテーマもフィールドも異なる人たちを相手に苦戦を繰り広げることになる。だが、このゼミ発表が、博士論文の公開審査への準備をしてくれたのだと思う。最後の理由は、民博が国内外の魅力ある研究者を集める共同利用研究機関であるということに関連する。共同研究会・調査への参加、海外客員教授の通訳やお世話係、シンポジウムのアルバイトなど、学業以外の仕事の機会も多い。こうした仕事を通して、精力的な活動を重ねる先輩研究者たちの仕事を間近で見る機会に恵まれたことは、何よりの財産となった。