国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2012年8月10日

林麗英Lin Li-Ying

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パイワン族の masalut(アワ収穫祭)開催

専攻

地域文化学専攻

指導教員

主指導教員:野林厚志/副指導教員:岸上伸啓

研究題目/研究キーワード

■研究題目
台湾原住民族の農耕活動の変容過程とその現代的意味についての人類学的研究

■研究キーワード
台湾原住民族、民族意識、パイワン族(paiwan;payuan)、アワ(vaqu;vawu)

研究の概要

本研究では、台湾原住民族が行ってきた伝統的な生業の一つであるアワ(Setaria italic)イネ科エノコログサ属の栽培活動に焦点を当て、それらの固有知識や栽培方法、関連する生活習俗、生産活動にはたす社会的役割が変容してきた過程、そして、現在、原住民族の人びとにとって農耕活動がどのような意味を持つのかということを人類学的な調査を通じて明らかにすることを目的とする。同時に、台湾政府の施政以降、パイワン社会に外部(非パイワン社会)から導入されてきた商品作物の生産、流通に関する基礎データを収集し、これまでは非商品作物であるアワの生産活動をとりまく現在の状況と比較したうえで、台湾社会が経験してきた経済的、文化的、政治的な状況の変化とその中での原住民族の農耕活動の変容を考察する。原住民族政策の転換、それにともなう中央、地方政府と原住民族との相互関係の変化が、原住民族の生業形態と生産の仕組みにどのような影響をあたえてきたかを論じる。
また、台湾原住民族の農耕活動と国家の政策との係わり合い、それにともなう経済的な位置づけがどのように変化させてきたのか、さらに文化的な側面からも農耕活動をとらえることによって、原住民族の農耕活動に関わるさまざまなアクター間の相互作用を明らかにする。これらは、国家もしくは地域的レベルにおかれている先住民族の共通した問題として、比較的な視点から論じることにつながっていくことが期待できる。

研究成果レポート