国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2017年8月29日

喬旦加布 チョルテンジャブQIAODANJIABU

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専攻

地域文化学専攻

指導教員

主指導教員:横山廣子/副指導教員:信田敏宏

研究題目/研究キーワード

■研究題目
中国青海省同仁県におけるチベット文化とその民族誌的研究―同仁県ワォッコル村の事例から―

■研究キーワード
アムド、チベット文化、ワォッコル村、民族誌

研究の概要

チベット・アムド地域に含まれる、中国青海省の同仁県にある私が生まれ育った村の周辺で伝統的に行われてきたルロ祭を対象とする研究をしている。この祭祀にはチベット仏教の歴史的な要素とともに、仏教以前のポン教、古代吐蕃王国と唐朝との確執とさまざまな民族の文化の融合・同化の痕跡が見られる。調査地には自らをチベット人と認める人々が居住しているが、彼らの母語は中世モンゴル語に由来するといわれるトゥー語(土族語)である。この事実は、村がチベット文化、モンゴル文化、漢族文化の交差点とも言うべき位置にあり、歴史的にチベット・土(トゥー)・漢・モンゴルなどが接触・雑居する地域であったことを物語る。本研究では主にワォッコル村とその周辺のガセドゥ村、ハラバトル村の三村におけるルロ祭を年中行事体系全体の中に位置づけ、特に同様にシャーマンが中心となる冬の祭と関連付け、祭りの一つ一つの行事、踊り、音楽、しぐさなどの意味を考察し、両村との連帯関係と村の歴史を考察しようとするものである。

フィールドワーク写真

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ルロ祭で神輿を担いて伝統舞踊を披露するワォッコル村の男性舞踊者。

研究成果レポート