国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2017年3月16日

阮立RUAN Li

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専攻

比較文化学専攻

指導教員

主指導教員:韓敏/副指導教員:宇田川妙子

研究題目/研究キーワード

■研究題目
コスプレの仕組みと文化的意味に関する人類学的アプローチ―名古屋における世界コスプレサミットの事例から―

■研究キーワード
コスプレ、グローバリゼーション、「場(field)」

研究の概要

本研究は、日本のアニメ・マンガ・ゲームの登場キャラクターに扮するコスチューム・プレイ、いわゆるコスプレに焦点を当てて研究を行う。特に、世界中のコスプレ・コミュニティが繋がる場である名古屋の「世界コスプレサミット」(以下コスサミ)におけるコスプレ実践と、新しいコスプレ文化の創造、それらがもたらす文化的意味に関して研究を行い、民族誌的なデータ記録を行うものである。

コスサミは、2003年から年に一度、名古屋で開催され、世界各国、各地域の大会を勝ち抜いたコスチューム・プレイヤーのコスチュームとパフォーマンスに順位をつける世界最大のコスプレ大会である。日本国内において1970年代から形成された東京のコミックマーケットと比べると、比較的新しいイベントであるコスサミは、まだそれ程知られていない一方、日本の外務省による「クールジャパン」戦略の一端を担い、世界中のコスチューム・プレイヤーが憧れる大会となっている。それは、舞台としての名古屋での開催や、日本が発信しようとする国の文化政策や、大会のルールと関係していることが予想される。こうしたコスサミの大会において、日本政府、愛知県、名古屋市、また各々の参加国やスポンサーとの関連性の中で、コスプレを演じる「場」が生じている。コスサミに参加するコスチューム・プレイヤーたちがその「場」でどのような関係性を生み出すのか、どのような新たなコスプレ文化が創出されるのかが、私の関心である。

上記の問題に対して、コスサミでのフィールドワークを軸に、議論を展開していく。すなわち、コスプレイベントの現場の視点から、コスプレ文化を通じた社会実践のダイナミクスを捉えることで、ブルデューが言う「場(field)」の形成に関して考察していく。そして、グローバルなコスプレの展開を追いながら、現代日本社会におけるコスプレ実践と文化的意味の生成と変容に迫る。

研究成果レポート