在学生の研究内容
更新日時:2012年8月6日
玉山ともよTAMAYAMA Tomoyo
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専攻
比較文化学専攻
指導教員
主指導教員:岸上伸啓/副指導教員:林勲男
研究題目/研究キーワード
■研究題目
先住民の被曝問題に関する文化人類学的研究―合衆国ニューメキシコ州ラグナ・プエブロ保留地内ウラン鉱山跡を中心に
■研究キーワード
被曝、ウラン鉱山、北米先住民族
研究の概要
米国南西部のニューメキシコ州を中心とする「グランツミネラルベルト」と呼ばれるウラン資源の豊富な地域において、1940年代後半から50年代初頭にかけて始まり80年代後半90年代初頭にかけて行われた鉱山や精錬所といったウラン開発の影響が、近隣先住民族(ナヴァホ、ラグナ・プエブロ、アコマ・プエブロ、ズニ・プエブロ)へどのようにもたらされ、それが現在に至るまでいかに展開しているかということについて考察する。
当初この地域でのウラン採掘ラッシュは、外からの労働者を呼び込み、域内に大きな経済的恩恵をもたらした。しかし80年代から外国産の安いウランが市場に出回るようになると急速にブームはしぼみ、多くの鉱山会社が鉱山や精錬所を適切に後処理しないままに去った。そのため数多くのウラン残土が野積みされたままになっている場所や、精錬所から出る放射性廃棄物の鉱さい池等が放置・遺棄され、その数はナヴァホ保留地内だけで千か所以上にも上る。汚染は労働者だけでなく近隣住民にもおよび、被曝が原因ではないかと思われる疾病が多数発症したが、現在に至るまで政府による広域的な疫学調査や健康調査は行われていない。90年に被曝者補償法(RECA)が成立し、約10年ごとに改正されてきたが、先住民族ウラン労働者にとっては補償金受給率も高くはなかった。
貧困や高失業率といった問題をもともと抱える辺境のマイノリティーに、環境汚染や健康被害が集中し、その環境修復や医療を受ける権利といった補償においても人種・民族間で差がみられることを環境正義問題という。それらを改善しようと汚染や被曝等を受けた当事者から起こった運動の変遷についての実践的な研究を行っている。また開発対象となった場所は先住民族が聖地とする場所が多く、聖地開発による文化・宗教的、経済的、社会的影響についてもフィールドワークを重ねている。







