国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2012年8月6日

辻本香子TSUJIMOTO Kyoko

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専攻

比較文化学専攻

指導教員

主指導教員:福岡正太/副指導教員:佐藤浩司

研究題目/研究キーワード

■研究題目
音の環境にみる音楽観の社会的形成:芸能と都市の音を手がかりに

■研究キーワード
音・聴覚の文化、現代の都市生活、東アジア

研究の概要

香港の龍舞・獅子舞を担う若者と芸能を取り巻く都市の音環境を対象として、長期のフィールドワークをおこなってきました。
現代の大都市で生きる人々が、個々に細分化された生活基盤の上で細分化されたコミュニケーション形態で暮らしていることに注目しつつ、 こうした社会における音や音楽の聴かれ方と役割を考えます。 特に、音楽・芸能の音が、それが演じられる音の環境と切り離せないという観点を最も重視しています。 かつて地域共同体や農村で伝承されてきた伝統的な芸能が、 芸能という範疇を越え、スポーツとして発展しつつある側面も、都市における芸能・音楽の新たな形を示しているといえます。 音楽学部ではおもに民族音楽学を学び、横浜中華街の華僑による獅子舞・龍舞研究で卒業論文を書いたのち、 修士課程ではサウンドスケープ論と文化人類学における音文化研究の接合と着地点を目指して文献研究による修士論文を書きました。
音環境と音楽・芸能の音を接続した研究は、農村や島嶼でおこなわれることが多く、現代的な都市をテーマにしたものが少なかったため、 博士課程ではそのフィールドワークを自分でおこなうことを決め、世界有数の大都市である香港の人々の間に住み込んで、現地の言語を用いた調査を実施しています。博士論文では、こうした多面性を持つ都市の音文化と現代の芸能のデータから学際的に有用な主張を導くことをめざし、 これまでの論考でも、音環境と芸能の音をサウンドスケープ論や聴覚文化研究の視点から捉える方法を考察しています。