国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2013年06月06日

アメリカ自然史博物館からの訪問

 アメリカ自然史博物館のアジア展示は、数年後に大改修を行う予定である。そのために、デービッド・ハーベイ(David Harvey)さん(副館長)、ローレル・ケンドール(Laurel Kendall)さん(人類学部門長)、そしてロス・マクフィー(Ross MacPhee)さん(哺乳類学部門学芸員)の3名が本館の展示のコンセプト、展示方法や演示手法を視察に訪れた。ケンドールさんは韓国研究者で私がアメリカ自然史博物館を訪れた時にお世話くださった方で、3年ぶりの再会である。また、自然史博物館には本館の太田心平助教が上級研究員として兼業在籍しているという御縁もあり、太田さんの主催で国際ワークショップ「文理融合実践としての新しいアジア展示がもつ可能性」を開催した。博物館における自然、人びと、文化の関わりとその相互作用と変化について話し合った。本館展示場が黒の壁面とグリッド方式の演示具を採用していることに、展示物の見やすさや親しみやすさがあるという感想を述べていた。そして本館の企画展「アマゾンの生き物文化」では、人が飾りや儀礼に使う材料を、動物の剥製や生息環境と結びつけた展示、つまり人間と生物との共生の姿を表現しており、優れた展示であると、マクフィーさんは高く評価していた。アメリカの自然史をあつかう博物館では、人びとの文化と動植物の生態とが別々に展示される傾向が強いが、アメリカ自然史博物館のアジア展示は、その2つを統合する新しい試みを行ないつつあるという。企画展「アマゾンの生き物文化」や本館の姿勢は、それを先取りした展示として、マクフィーさんの目に映ったようである。アメリカ自然史博物館の新しい展示公開が楽しみである。

2013年06月06日 14:15 | 全体 海外からの来客