国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2013年07月08日

ニューギニア研究者の訪問

 ニューギニアの社会人類学研究のパイオニアで現在ピッツバーグ大学教授のアンドリュー・ストラサーン(Andrew J. Strathern)さんと奥様のニューギニア研究者パメラ・スチュワート(Pamela J. Stewart)さんが訪問した。1996年私が神戸大学国際文化学部にいたときに国際シンポで招聘し、また2000年に外国人客員として6ヶ月滞在した。親友でもあり、朝9時過ぎから夕方まで、ゆっくりと民博滞在を楽しんでくださった。
 今回は同志社大学の特別講演に招聘されたので、表敬と連携研究を話題に訪れたものである。本館からは、旧知の林勲男准教授とフィジー研究者の丹羽典生准教授が加わり、調査研究と展示について話し合った。ストラサーンさんとパメラさんの最近の関心は、災害人類学。サモアの津波被害と台湾のパイワン族の台風災害から平和社会の復興・構築に向けての調査に当たっている。私は6月末に台湾のシラヤ族の土石流被害の現場を訪れたので、災害と村の復興について議論した。パイワン族では、被災者の精神的安定や将来の生活設計の見通しなどで宗教的職能者が大きな役割を果たしているとのこと。
 本館の防災人類学の専門家、林さんとアジア太平洋の地震や津波被害とその復興等について、来年の世界人類学民族学研究大会(幕張メッセ会場)でセッションをくむなど、今後の研究連携について話し合った。また、オセアニアの宗教運動の中でも、最近ペンテコスト系宗教の影響力が増大しているという傾向について丹羽さんと意見を交わした。民博の展示に関しては、19世紀末のメラネシアの貝製首飾り(ジョージ・ブラウン・コレクション)がきれいに保存されていること、ミクロネシアの「星コンパス」によるクレイアニメの航海の動画がよくできていることに驚いていた。

2013年07月08日 11:27 | 全体 海外からの来客