国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2013年08月19日

キリバス共和国から文化財研究者の訪問

 ミクロネシア・キリバス共和国から内務社会省文化局のナタン・イトンガ(Natan Itonga)さんと環境国土農業開発省国土局のシャオスイン・エナリ(Tiaontin Enari)さんが訪れた。この訪問は奈良市の(公財)ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所が文化財の研修を目的とする招聘事業の一環である。キリバスのタビテウエア環礁には、31列の石柱が海に面して立っている。これは西欧との接触以前の戦勝記念モニュメント、あるいは敵を威嚇する要塞であると言い伝えられている。また、島々に固有のマネアバと呼ばれる壮大な集会所がアイデンティティの源であったが、島人口の首都や海外への移住に伴って、その建物も数少なくなっている。

 文化遺産保護協力事務所研修事業部長小林謙一さんの話によると、この石柱ないし集会所をユネスコの有形文化遺産に登録するための方策を検討することも訪日の目的の一つであるとのこと。キリバスは、中央太平洋、日付変更線のすぐ東側、赤道をまたぐ広大な海洋面積を保有する共和国である。日本は輸出を目的とする漁業援助を行っているが、低開発国で日本など外国漁船の海域内入漁料収入が主要な外貨獲得。
 外国からの多くの観光客の訪問も望めない島社会ではあるが、美しい環礁にたたずむ石柱の文化遺産の保護・保存のためにも、ユネスコの有形文化遺産への登録が望まれる。

2013年08月19日 11:38 | 全体 海外からの来客