国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2014年01月14日

スミソニアン協会国立自然史博物館の研究者の訪問

 アメリカ国立自然史博物館・極北研究センター長のウィリアム・フィッチュー(William Fitzhugh)さんが、本館教授岸上伸啓さんが主宰した国際シンポジウム「北太平洋沿岸諸文化の比較研究―先住権と海洋資源の利用を中心に」に参加するために訪れた。本シンポは1月11日~13日まで海外から14名、国内から12名の研究者を招聘して、アイヌ民族からカムチャッカ、アリューシャン、シベリア、アラスカ、カナダ北西海岸に居住する先住民の文化、先住権、海洋資源の利用などについて議論する大規模な国際集会であった。
 フィッチューさんは先史・考古学者で、1980年代から北東アメリカの先住民とヨーロッパ人との接触、シベリアとアラスカの文化交流などについての研究が専門である。今回のシンポは、ベーリング海峡を挟んでシベリア側と新大陸側の先住民の文化に関する比較研究が、19世紀末のフランツ・ボアズの研究以降行われてこなかった点を考慮して、岸上さんが企画したものである。フィッチューさんは本シンポが広い視点から濃密な議論ができ生産的であったと評していた。また、岸上さんの本シンポを契機に当該研究地域の国際学会の設立をという岸上さんの狙いに対しても、彼を含め参加者の多くのがその計画を推進することに同意していたと語っていた。
 スミソニアンの自然史博物館などの研究活動と博物館運営については、連邦政府からの交付金や諸機関・団体からの基金提供が減少していることから窮屈になってきており、新しい企画を実施することが難しいとのことである。この点、本館はリニューアル展示ができ、その展示も斬新なコンセプトにもとづき、非常に美しい展示であると評価してくれた。

2014年01月14日 13:20 | 全体 海外からの来客