国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2014年06月05日

大エジプト博物館長の訪館

 現在、JICAの有償資金協力(円借款)の支援のもと、ギザの3大ピラミッドのそばに建設中の大エジプト博物館(The Grand Egyptian Museum)館長のムスタファ(Mohamed M. Abd el-Maguid)さんが6月5日に見学に訪れた。当日朝10時から本館で開催中のJICAからの委託事業・課題別研修「博物館学コース」の講義に参加した。大エジプト博物館からの3名の研究員がこのコースを研修しているからである。午後は展示場、収蔵庫、情報システム室、図書室などを5時半まで視察した。展示場は、2時間をかけて14展示場すべてを久保正敏副館長の案内で、各ギャラリーの展示構想、展示品、演示具、展示手法などについて質問しながらじっくりと見学した。また、収蔵庫で園田直子教授の案内のもと、衣服や革製品などの資料のシステム収蔵庫を中心に、整理と保存のシステムについて、情報システム室では映像音響資料の整理と保管などについて視察した。
 大エジプト博物館は、10万点の遺物が展示される予定で、最初にツタンカーメンコレクションのギャラリーがオープンし、次に古代、中世、新王国の展示、最後に子ども博物館の完成という、3度の開館で入館者を勧誘したいと館長は述べていた。館長は、国家財政や政情にもよるが現在のペースでは第一次開館が2017年8月頃になるだろうと予測している。館長は、「大エジプト博物館保存修復センター長」を兼務している。この修復センターは、展示する遺物の保存修復等を行うため保存修復士、科学者・調査分析者、学芸員などの専門家200名を抱えている。本館からも准教授日高真吾さんや園田さん、久保さんなどが、技術協力と収蔵品のデータベース構築などの支援を現地で行っている。
 ムスタファ館長は、海洋学、とりわけクフ王の舟など古代船の研究家で、現在も前任のアレクサンドリア博物館の顧問を務めている。数年後に、ピラミッドの形を模した外壁を持つ壮大な博物館の一部、ツタンカーメンコレクション6000点をはじめ多くのエジプト古代王朝の遺物が公開されるのを楽しみに待つことにしよう。

2014年06月05日 11:20 | 全体 海外からの来客