国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2014年10月05日

アメリカの先住民、ホピとズニの芸術家と研究者の訪問

 本年度から文部科学省の特別経費によって着手した「人類の文化資源に関するフォーラム型情報ミュージアム構築」プロジェクトの先鞭をきって、米国南西部に住むホピとズニの民族資料のデータベース作成のためのワークショップが10月5日にスタートした。このワークショップは本館の伊藤敦規助教が組織したもので、「資料熟覧―方法論及び博物館とソースコミュニティにとっての有効活用を探る」のテーマのもとに、4名のホピの有識者と6名の海外研究者が参加した。ホピからは、ジェロ・ロマンベンティマ(Jerald Lomaventema)、マール・ナモキ(Merle Namoki)、ダランス・チメリカ(Darance Chemerica)、ラムソン・ロマテワマ(Ramson Lomaventema)の4名でいずれもホピの伝統知識保持者であると同時に銀細工とカチーナ人形制作の芸術家である。彼らは10月17日まで滞在し、本館が所蔵するホピのカチーナ人形や土器などの熟覧を行い、詳細な情報を提供してくれた。
 海外の研究者は、ロバート・ブルーニク(Robert Breunig)北アリゾナ博物館長、ケリー・ハイズ=ギルピン(Kelly Heys-Gilpin)北アリゾナ大学教授、チップ・コルウエル(John Colwell-Chanthaphonh)デンバー自然科学博物館研究員、シンシア・チャヴェス・ラマー(Cynthia Chavez Lamar)国立アメリカンインディアン博物館研究員、ジム・イノーテ(Jim Inote)ズニ博物館長、ヘンリエッタ・リディチ(Henrietta  Lidchi)国立スコットランド博物館研究員である。このワークショップは、北アリゾナ博物館とズニ博物館と本館との学術協定に基づく国際共同研究として行われ、ソースコミュニティと博物館、ホピの民族資料の世界各地の博物館の所蔵状況などの報告と本館が所蔵するホピのカチーナ人形などの民族資料800点の熟覧と的確な資料の情報を収集することを目的にしている。
 ホピの4名の芸術家たちは、本館所蔵のカチーナ人形の正統性を認め、その保存状態の良さを評価してくれた。マールさんとジェロさんは3年前に本館で行った「ホピの伝統芸能」の研究公演にも来館しており、その後私が研究公演のお礼にホピ保護区を訪れて皆様にお会いしている。彼らは民博との関係を今後も続けることを強く望んでいた。このワークショップは4年間続くので、北アリゾナ博物館での資料調査やホピ社会での調査も予定されており、本館とホピ社会との関係はさらに深まることになる。

2014年10月05日 13:45 | 全体 海外からの来客