国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2015年06月09日

カンボジアの映画監督の訪問

 カンボジアから国際的に著名な映画監督でボパナ(Bophana)映像音響資源センター長のリティ・パン(Rithy PANH)さんが、本館教授の寺田吉孝さんとカンボジアの伝統芸能の映像記録化等について話し合うために訪れた。パンさんのお話によるとポルポト解放後、カンボジアにはただ一人の映画制作者が残ったという。それから、パンさんら若い映像研究者が、記録映画だけでなく映画界を発展させてきたという。同センターの映像音響資源センターには日本の若い研究者、新井かずみさんがコミュニケーション専門家としてつとめている。
 民博では、寺田さんを中心に本館准教授の福岡正太さんとパンニャシャストラ大学のサムアン・サムさんがカンボジアの消滅の危機にある伝統舞踊や大型影絵芝居などの映像記録化の共同プロジェクトを組織し、カンボジア音楽芸能の番組を数多く制作してきた。伝統継承者たちにとって一番貴重なのは、大型影絵芝居の全演目を記録したもので、7巻の映像作品を作成している。そのほかにも各ジャンルの概要を紹介した番組(大型影絵芝居、小型影絵芝居、仮面劇)や影絵芝居の師匠に関する番組などがあり、それぞれ 日本語版と英語版を作成している。
 その他にもカンボジア北東部に住む少数民族の生活や音楽に関する番組が3本あり、また、カンボジア音楽芸能関連番組は日本語版だけでも15本ある。このうちクメール語版があるのは3番組で、それらの映像を現地語の解説を加えて、現地に還元している。このような活動をしている本館とパンさんのボパナ映像音響資源センターが連携してカンボジアの有形・無形文化の次世代への継承を可能にする映像音響の記録化を推進していくことで合意した。

2015年06月09日 22:08 | 全体 海外からの来客