国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2015年05月21日

アムール河のナーナイ族からのお客様

 企画展「岩に刻まれた古代美術―アムール川の少数民族の聖地シカチ・アリャン」が5月21日に開催され(7月21日まで)、その公開式典に在大阪ロシア連邦領事ユーリー・ボリソヴィチさん、ロシアのアムール河流域に居住するナーナイ族のシカチ・アリャン村の村長ニーナ・イグナチェヴナさん、中学校教諭のヴィクトリヤ・レオンチエヴナさんと5名の中・高校生が参加した。シカチ・アリャン村の生徒さんたちは、素晴らしい「アイシマ」の舞いとアンサンブルを披露してくれた。
 本企画展は、ロシアのアムール川流域に住むナーナイの人びとの多彩な生活文化と長いあいだ保護されてきた文化遺産の岩絵を紹介することを目的としている。本展を主宰した本館教授の佐々木史郎さんは、ナーナイ社会を30年前から調査している。彼によると、展示する岩絵は今から12000年も前の新石器時代から1000年前頃までに描かれ、制作者は現在のナーナイより古い時代にその地に住んでいた人たちとのこと。
 ニーナ村長さんは、自分たちの祖先は、500年以上前からここに住み、岩絵を自分たちの民族の神話や世界観と結びつけて語りつづけてきていると語ってくれた。また、伝統舞踊の「人間国宝」的存在のヴィクトリヤさんは、子供たちに小学生から踊りと歌を教えており、このアイシマの舞いを次世代に受け継いでいく仕組みはできているという。
 この式典には、90歳を過ぎた今なおウズベキスターンなど中央アジアで考古学と歴史学の研究を続けておられる本館名誉教授加藤九祚先生も参加された。加藤先生は、1998年からウズベキスターン科学アカデミー考古学研究所と共同でカラテパ仏教遺跡(2~4世紀)などの発掘を毎年のように行っている。

2015年05月21日 16:27 | 全体 海外からの来客