国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2015年10月15日

国立台湾歴史博物館と学術協定の調印(1)

 国立台湾歴史博物館との学術協定の締結と研究交流を目的に10月15日から18日まで台南の国立台湾歴史博物館を訪問した。15日午後に台湾歴博に到着後の特別展示と常設展示の見学から17日夕方まで講演会・ワークショップと両博物館が取り組んでいる新しい研究と博物館活動などについての議論を重ね、充実した国際研究集会を実施することができた。民博からは、須藤、野林厚志教授、伊藤敦規助教、寺村裕史助教が参加し、そして日高真吾准教授が最終日の議論に加わった。
 
 博物館見学

 15日午後3時過ぎに台湾歴博に到着し、直ちに特別展「鉅變1895 ―Transformations in 1895」と「沉思火燒島―被流放的青春特展」を観覧した後、常設展も見学した。「鉅變1895」展は日本が台湾を征服統治してから120年を記念して、多くの絵画・写真や文字資料などが展示されている。日本の統治に対する日本、清国、西欧からの見方と評価が表現されており、歴史的事件を多角的に捉える視点が評価される。展示資料は、中国の歴史資料館や档案館などを渉猟して収集したという。「沉思火燒島」展は、戒厳令下で逮捕拘禁された人びとの系譜と生活の展示で、数十年前の出来事を生存者が存命している現在に事実を問いただす展示で見ごたえがあった。展示参観後「歴史記憶・戦争記憶的研究と展望」をテーマに討論を行った。
 台湾歴博は呂館長とスタッフによる12年間の準備期間を経て2011年10月29日に正式にオープンした台湾で唯一国立の歴史博物館である。常設展示のコンセプト「この土地とこの民・台湾の物語」は、台湾原住民族とさまざまな時代に台湾にわたってきた人びとによって台湾の社会と文化が形成されたという認識から、多民族・多文化との接触の歴史と人びとの物語を多元的に実感できる展示である。

2015年10月15日 15:00 | 全体 新着記事