国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

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2016年02月29日

フランス社会科学高等研究院から中東研究者の訪問

 フランスの代表的研究機関フランス社会科学高等研究院のフランソワ・プイヨン(Francois Pouillon)さんが本館教授西尾哲夫さんの組織した国際シンポジウムに招聘されて2月29日に館長室を訪れた。プイヨンさんは、マグレブ、エジプト、スーダン、サウジアラビア、トルコ、レバノン、セネガルなどでフィールドワークを実施し、遊牧、牧畜、農耕民社会の人と文化の接触交流と文化的表象や制度について多くの著書と論文を公開している。西尾さんのシンポに対し、日本のアラブ研究者がフイールドワークに基づいて大衆文化という新しいテーマについて、理論的枠組みもおさえて、内容の厚い、高いレベルの研究を行っているのには、驚いたと評価していた。
 ただ、今日の国際的な研究環境では、研究成果を英語で発表しないと、どんなに多くの成果を公表しても世界で認知されないと自らのフランス語中心の発表を反省していた。プイヨンさんはフランス人類学を代表する研究者であるが、海外での招待講演などが少ないことを嘆き、日本の研究者にも英語論文の発表をアドバイスしてくれた。また、本館の展示に対しては、近現代を視野に入れた動的・グローカル展示で、フランスのケイブランリ博物館の「狭い文化展示」より面白いとほめていたのには、快かった。フランスでも昨年オープンしたリヨンの博物館やマルセーユの地中海博物館などでは、民族学的な展示をしておりプイヨンさんは見学をすすめてくれた。
 西尾さんのシンポジウムは、人間文化研究機構が2016(平成28)年度から始める基幹研究「現代中東地域研究」のキックオフとして2月26日開催された。海外からは、プイヨンさんが招聘された。

2016年02月29日 14:52 | 全体 新着記事