国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

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2016年07月19日

国立台湾原住民博物館建設に向けて桃園市長らの訪問

 台湾政府は「国立台湾原住民博物館」(仮称)建設の計画を温めているそうで、その実現を目指し、桃園市から鄭文燦市長、高安邦教育局局長、蒋絜安客家局局長をはじめ40名の方々が7月19日に民博視察に訪れた。この計画は、台湾には原住民族の歴史と社会と文化を紹介する独立した博物館がなく、その建設を望む声が強いことを物語っている。現在台湾では、16民族が「原住民族」として政府から認定され、その人口は台湾総人口2340万人の2パーセント、約50万人を数える。
 桃園市は、台北市の北、桃園国際空港を有し、産業振興だけでなく国際観光開発を重要政策に指定している。そのために、国立原住民博物館の誘致運動を展開しているとのこと。
 意見交換会において、民博は研究博物館であり、研究成果を展示し、種々のメディアを駆使して展示物の社会・文化的背景やその使用法やそれを用いた儀礼などを映像で観覧できるシステムを導入しているなどについて説明した。
 桃園側からは、同市には客家が80万人住んでおり、客家の歴史とテーマパークを展開しているなど文化的状況についての説明があった。台湾・中国そして日本の客家を研究している本館助教の河合洋尚さんが学問的視点からコメントを述べるなど、1時間にわたって議論を行った。その後、ご一行は、河合さんの案内で中国地域の文化と日本の文化の展示を中心に観覧し、市長は歴史と現代の双方を関連させた展示手法などを評価していた。
  台湾政府が台湾原住民博物館の建設を進めることを強く期待するが、桃園市が考えているようなテーマパークの一環としての博物館にはならないようにしてほしいと望むところである。
        

2016年07月19日 12:44 | 全体 新着記事