国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

館長だより
2010年12月10日

サンクト・ペテルブルグの国立民族学博物館訪問

ロシア国立民族学博物館(The Russian Museum of Ethnography)とロシア科学アカデミーピョートル大帝記念人類学・民族学博物館(KUNSTKAMERA;Peter the Great Museum of Anthropology and Ethnography, Russian Academy of Sciences)を12月2日から9日にかけて酷寒のなか、佐々木史郎副館長と訪問した。ロシア国立博物館では、昨年秋に本館を訪問されたV.グルスマ ン(Vladimir GRUSMAN)館長と再会し、歓迎されるとともに学術交流協定の調印を行うことができた。この博物館は、1895年創設でロシアおよび近隣地域の民族と 文化に関する膨大な資料を収集・所蔵、展示している。修復が終了した特展用の中央ホールは、紫がかった大理石列柱と多様な民族レリーフからなる空間であ る。研究者が収集したロシアの民族衣装、中央アジアの現代展示、シベリア諸族のシャマンの展示、またロマノフ王朝からの寄贈された金銀や宝石の装飾品や儀 礼用銃などの「秘宝」等々の展示は、本質主義的であるが見ごたえのある工夫が凝らされている。本館とは、共同調査、収蔵品の科学的保存技術の交換などを中 心に交流を深める予定である。
クンストカメラ(「僻遠・未知の地の稀少・珍重な収集物」の意味;人類学・民族学博物館)では、Y.チストフ (Yuri CHISTOV)館長らと人間文化機構の「日本関連在外日本資料の国際共同研究」プロジェクトの調査実施についての打ち合わせを行った。当博物館とは佐々 木副館長が親密な学術関係を維持しており、話はスムースに進んだ。当館の3名の日本研究者は、所蔵する数百点の日本資料については写真撮影を終えていると のことで、みんぱく側からはそれらの資料についてのより的確なコメントと歴史的経緯などについて資料提供して、両館で共同研究の成果を公にするという方針 を確認した。クンストカメラ博物館は、1714年にピーター大帝によって創設され、18世紀から天文学、生物学、形質人類学から民族学や外国の歴史資料な ど180万点を所蔵している。人類史や世界各地の展示はケースにおさめられた伝統的展示であるが、年間120万人が訪れている。2004年には創設300年記念事業を予定しており、本館と共同の催しを開催することを要請された。

2010年12月10日 18:17 | 全体 国際学術協定ほか