国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館長だより

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2010年10月30日

エル・アナツイさんの撮影者と教え子の来館

エル・アナツイの世界」 と題する映画会と国際シンポジウム(10月30日)を開催し、エル・アナツイさんの制作活動を撮影したコロンビア大学のスーザン・ボーゲル (S.Vogel)さんとエル・アナツイさんから大学時代に美術の教えを受けたカリフォルニア大学のシルベスター・オベチエ(S.Ogbechie)さん を招聘した。ボーゲルさんは、アフリカで最高のアーティストと見込んで2006年から2年間ナイジェリアとガーナに赴いて、エル・アナツイさんを撮影し た。その動機を、「作品が動き、ノイズがともない、またパーフォーマンスがある」芸術を生み出す作者にひかれたと述べている。オベチエさんは、エル・アナ ツイさんから学生時代にドローイングの技術を徹底的に教え込まれたが、この手法は土地に伝わる織物などのアートの線的な性質を組み合わせて形をうみだすエ ルアナツイ芸術の基盤であると語っている。映像で、赤土の大地を前に向かって自然体で歩き続けるエル・アナツイさんの姿に、国境を自由にこえて、21世紀 に独創的な芸術を生み出しているエル・アナツイさんの創作の原点があるような印象を受けた。このシンポジウムは、本館の機関研究「マテリアリティの人間 学」の研究の一環として行ったものである。

2010年10月30日 17:44 | 全体 海外からの来客