館長だより
モンゴルでの国際共同研究
園田直子教授を代表者として、本館から森田恒之名誉教授を含む11名の教員、滋賀県立琵琶湖博物館から楠岡泰研究員が参加して、モンゴル国で6月15日から21日にかけて博物館・博物館学に関する共同研究、ワークショップと講演会を行った。この事業は、日本学術振興会研究拠点形成事業-アジア・アフリカ学術基盤形成型の一環として実施したもので、日本・モンゴル外交関係樹立40周年となる今年度は、モンゴルでの開催となった。



16日に古都ハラホリンの日本のODAで建設したカラコルム博物館で開催した共同研究会は、「予防保存」をテーマに、同博物館長と世界文化遺産のエルデニゾー博物館長が文化遺産の展示と保存について発表を行った後、園田教授の講演があった。


19日は、ウランバートルのモンゴル科学技術大学人文学部においてプレブスレン(I.Purevsuren)学部長や研究者も参加して、午前に「ドキュメンテーション」、午後に「博物館教育・社会連携」をテーマに共同研究会を行い、みんぱく側とモンゴル側の研究者それぞれ2名が交互に発表し、議論を深めた。




20日には「災害と文化遺産―東日本大震災の事例から」と題した公開セミナーを実施し、みんぱくから3名の教員が文化財のレスキュー、無形文化遺産の復興や記憶の継承などについて講演した。

この研究会への本館からの参加者は、1994年から協力(2004年度からは委託事業として本館と滋賀県立琵琶湖博物館により実施)している博物館学関連のJICA研修コースで、中核となっている教員たちである。モンゴル側からは、JICAの研修修了者、首都や地方の公立の博物館・美術館の研究員・学芸員、あるいは大学の研究者など、毎回40名を超す参加があった。喫緊の課題として、モンゴルの文化遺産の国外流失を防ぐための記録化、鉱山開発の影響を受ける遊牧民の文化遺産の保護・保存、資料情報のデジタル化などの報告があり、みんぱく側の研究者との間で活発な議論が展開された。私にもプレブスレン(I.Purevsuren)学部長から、博物館と大学教育や、博物館の将来についての質問があり、モンゴル側のみんぱくへの期待の大きさを痛感した。
これまでにみんぱくでの博物館研修を修了したモンゴルの博物館関係者は11名にのぼり、モンゴル国立博物館長をはじめ、国公立博物館の館長や文化遺産センターなどの要職に就き、ネットワークを強めて博物館活動を積極的に展開している。
この研究会の開催およびモンゴルの博物館・美術館・寺院や大草原の史跡の見学にあたっては、本館の小長谷有紀教授とモンゴル科学技術大学のルハグバスレン(I.Lkhagvasuren・元本館客員)教授が中心になって企画と組織化した。この研究会には今後の開催地、ミャンマーとタイからも元研修生が参加し、JICA研修事業をフォローアップするという意味でも大きな成果があった。

みんぱくの国際交流の一端を館長が紹介します。
by minpaku
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