館長だより
マダガスカル・アンタナナリヴ大学との学術協定の調印
アンタナナリヴ大学文明研究所/芸術考古学博物館のラディミラヒ・シャンタル(Radimilahy Chantal)館長が本館との学術交流協定の調印 のために、学長代理として来館した。本館は飯田卓准教授を研究代表とするマダガスカルの人類生態学的調査研究を推進している。その研究の遂行のためにアン タナナリヴ大学の博物館を中心に共同調査、情報交換やスタッフの交流を進める予定である。また、マダガスカルの政情が安定したら、「マダガスカル特別展」 を計画しており、当該博物館の所蔵品を活用する計画を立てている。女性館長のシャンタルさんは、マラガシ語(オーストロネシアン「南島語」)を話すことを 誇りにしており、私もオセアニアの同じ言語圏社会を研究していることから、親密感を感じたと述べている。小学生の時はフランス語、中学からは英語教育を受 け、フランス植民地への抵抗感から現在は英語を第二言語にしているという。

ヤオ族研究者の来館
ヤオ族の儀礼研究をしている張頸松(中国湖南省文学芸術界聯合会副主席)さんとヤオ文書の解析をしている0bi,Lucia(ドイツバイエルン州立図書館 オリエント・東アジア部研究員)さんが、本館の中国展示と連携展示「アジアの境界を越えて」の観覧と研究情報の交換のために、蔡文高(神奈川大学非常勤講 師、通訳)および吉野晃東京学芸大学教授とともに訪れた。張さんは漢人であるが、幼少時からヤオ族の人びとと生活したことでヤオの儀礼文化に関心を持ち、 大学で専門に研究するようになったとのこと。オビさんは、台湾の大学に留学していたことから、漢文化とヤオ文字への関心が強くなり、図書館が所蔵する膨大 なヤオ族抄本文書の整理と分析にあたっている。本館の塚田誠之さんと中国展示のヤオ展示を見てをみて、ヤオの文化の精髄を表現しており、また漢文化と少数 民族文化を丁寧に展示してあり好感がもてると述べている。

インドネシア共和国国立図書館副館長一行の訪問
インドネシア共和国国立図書館副館長(収集活動・情報サービス担当)のリリック・スリステョワティ(Lilik Soelistyowati)さんはじめ8名が、本館を訪問・視察した。当日は、本館の田村克己副館長、図書委員長である岸上伸啓教授、民族音楽学・東南 アジア研究の福岡正太准教授らによる本館の概要説明をうけたのち、高橋安司情報サービス課長の案内で館内施設を見学された。なかでも、文化人類学・民族学 のさまざまなテーマに関連した60万冊の資料を所蔵する本館の図書室の視察では、図書の分類配下、目録作成、窓口サービス等について熱心に視察されたほ か、図書館業務のあり方に関して意見を交換した。インドネシア共和国における図書館の、今後の更なる発展を期待する次第である。

洞窟壁画・岩面画研究の専門家の訪問と特別展見学
国指定史跡フゴッペ洞窟発見60周年記念シンポジウム「世界から見たフゴッペ洞窟」(11月7日北海道余市町にて開催)に参加されたフランス国立パリ自 然史博物館教授ドゥニ・ヴィアル(Denis VIALOU)、同教授アゲダ・ヴィレーニャ・ヴィアル(Agueda VILHENA VIALOU)夫妻、中国湖北省三峡大学の楊超教授が、大塚和義本館名誉教授の案内で来館された。ドゥニ・ヴィアル教授は、有名なフランスのラスコーの壁 画の発見者であるアンドレ・ルロワ=グーラン教授の後継者として、洞窟壁画の構造主義的解釈を継承、発展させている。

スウェーデン国立高齢化・高齢期研究所長の訪問
スウェーデン国立高齢化・高齢期研究所長でリンシェピン大学社会福祉学部教授、エヴァ・ジェプソン・グラスマン(E.J.Grassman)さんが、本館の機関研究「包摂と自立の人間学」の国際シンポジウムの一環として開催した「希望社会への道ースウェーデンと日本のウエルビーイングの思想と市民社会」 に参加するために来館した。私たちは、スエ―デンにおいては、あらゆる福祉関連の制度が国家によって保障されていると思いがちであるが、彼女は老後のケア や雇用などを、インフォーマルセクターや市民ボランティアによって支えられている実際を語ってくれた。老人のくつろげる居どころや健康なよき生き方、未来 への生きがいなどは、市民社会の人びとの支えによって実現していることを強調した。

モンゴル馬頭琴奏者の「人間国宝」の訪問
モンゴル国立馬頭琴交響楽団指揮者でユネスコから世界無形文化遺産に認定された馬頭琴の奏者、ツェンド・バトチュルーン(T.Batchuluun)さん が、在日のホーミー演奏家のマハバル・サウガゲレル(M.Lkhagvagerel)さんと挨拶に訪れた。バトチュルーンさんは、12歳から馬頭琴をはじ め、現在はモンゴルの人間国宝級である。氏は、国際交流基金の招聘で1年間、日本の伝統音楽などの保存、演奏、創作などの活動について日本の民族音楽学の 専門家から伝授を受けている。日本滞在中は、世界各地を巡回する演奏会には加われないが、現在はモンゴルの伝統音楽の維持と創生のための知識と技術を習得 する方が重要であると抱負を語ってくれた。また、大阪に住んでいるのでみんぱくの展示の魅力を知るために、これからも観覧に訪れるとのことである。


みんぱくの国際交流の一端を館長が紹介します。
by minpaku
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