館長だより
秦始皇兵馬俑博物館副館長の訪問
中国西安の秦始皇兵馬俑博物館副館長、曹瑋教授が神戸大学大学院国際文化学研究科の王柯教授と訪館された。目的は、2012年の日中国交回復40周年の文 化交流の企画立案と兵馬俑博物館の拡張・拡充の構想づくりのための本館の視察である。展示方法、映像音響のシステムからミュージアムショップ、さらに周辺 の公園まで見て回られた。兵馬俑博物館は1日に多い時には5万人、通常1万人の入館者があり、入館料は4億人民元(約55億円)でその70パーセントで館 を運営しているとのこと。また、兵馬俑の馬車は、上海万博で初めて外部展示されるので、日本での展示の可能性について話し合った。考古学者の副館長は、秦 始皇帝の墳墓の発掘など、将来の調査研究の計画を熱く語ってくれた。

ペルーのサンマルコス大学の考古学者の訪問
本館と学術交流協定を締結しているサンマルコス大学から、関雄二教授のパコパンパ遺跡発掘調査プロジェクトのカウンターパートである国立サンマルコス大学 考古学研究所長のD.M.モラレス・チョカーノ(Daniel Morales CHOCANO)教授と若い研究員フアン・パブロ・ビジャヌエバ(Juan Pablo VILLANUEVA)さんが訪れ、2010年度の発掘調査のワークショップを行った。ラモレス教授は、泉靖一先生の1960年代のアンデス発掘調査のと きに学生として参加して、考古学の魅力のとりこになったという。若い研究員は関さんの「強行な発掘スケジュール(徹夜など)」の発掘にはついていかない が、考古学と人類学の手法を学び取っていると語っている。本プロジェクトがペルーの優秀な若手考古学徒の養成の場になっていることは、心強いことである。

アフリカのマケレレ大学とナイロビ大学からの人類学者の訪問
ウガンダのマケレレ大学社会科学部長のE.K.キルミラ(Edward K. KIRUMIRA)さんと、ウガンダ漁業省の主任研究員らが岩手と和歌山で開催された漁業国際会議に出席し、本館を訪れた。同時に、京都大学を訪問中のケ ニアのナイロビ大学アフリカ研究所長のI.K. ニャモンゴ(Isaac. K. NYAMONG)さんも訪館した。1時間にわたり本館の三島禎子准教授の案内でアフリカ展示を見た後で、多くの意見をいただいたが、中でも「東アフリカの 展示がない」と強く指摘された。実際は、東アフリカの展示はあるが、アフリカ展示はなにを語ろうとしているのかが明確でないという批判でもあった。フォー ラム展示をコンセプトに展示したのに、「現地の人から適切な指摘」を受けることになり、再考の必要を痛感した。

アンダルシア音楽の歌姫と演奏家の訪問
新しい西アジア展示のプロモーションをかねて、モロッコからアラブ・アンダルシア音楽「ヌーバ」の天才的な歌姫、アミナ・アラウイ(Amina ALAOUI)さんと弦楽器ウード、ヴァイオリン、そしてドラム奏者の4人を招聘した。私は公演日に不在なため、21日昼食を共にして午後のリハーサルに 付き合ったが、アミナさんは本館講演のために、パリで自著の編集日数を短縮したことでの不眠と時差の影響で「頭が回らず」音合わせに苦労していた。22日 の本番では2回の公演の間に「赤い朝鮮人参」のドリンクを飲めば大丈夫と話していたが、1000人の観客がアミナさんの典雅な歌声に魅了されたとのことで ある。

ケンブリッジ大学モンゴル内陸アジア研究ユニットからの訪問者
本館の機関研究「歴史認識の人類学」の一環として小長谷有紀教授が主宰した国際シンポジウム「前社会主義諸国における近代化をめぐる理念・言説・実践」に 参加するためにケンブリッジ大学から社会人類学部長D.スニース(David SNEATH)さんとU.E.バラグ(Uradyn E. BULAG)さん、同大学のモンゴル・内陸アジア研究ユニット所長のH.ディームバーガー(Hildegard DIEMBERGER)さん、ロンドン大学の人類学部のV.ブチェリ(Victor BUCHLI)さんが館長室を訪れた。そのうちバラグさんとディムバーガーさんは、過去に本館の外国人客員として滞在した経験がある。

ベトナム社会科学院からのみんぱく視察団
ベトナム社会科学院副院長のグエン・スアン・タン博士(Dr. NGUYEN XUAN THANG), 同通信情報院院長のホ・シ・クイ博士(Dr.Ho SI QUY)ら8名の研究者が、博物館と都市計画、観光、自然環境との関係等について意見交換をするために本館を訪れた。本館では園田直子教授らがベトナムの 文化遺産の保存について教育指導にあたってきたが、今回は本館の展示を、ホーチミンにある博物館の民族展示に応用したいという意見が聞かれた。また、ベト ナムの諸民族の文化の展示と保存に向けての動きと、文化遺産や博物館の観光資源として開発を推進する強い姿勢がうかがえた。

北欧3カ国から4名の女性研究者が国際シンポジウムへ
本館の鈴木七美教授が企画した国際シンポジウム「子どもたちにとっての未来社会―北欧の思想と実践」 に、ノルウエー、デンマーク、スウエ―デンから子どものケアと教育を専門とする教育学と文化人類学の研究者、A.T.キエルホルトさん(ノルウエー子供文 化センター長)、E.グッレウさんとR.ギリアムさん(オーフス大学準教授)、そして、E-M・アンベッケンさん(スエ―デン出身の関西学院大学大学院教 授)が参加した。

フェアトレードのキープレイヤーによる国際シンポ
機関研究「支援の人類学」の一環として国際シンポジウム「フェアトレード・コミュニケーション-商品が運ぶ物語」 と国際フォーラムが鈴木紀准教授によって開催され、フェアトレードの国際機関、日米欧の団体、生産者団体の代表者7名が参加した。日本ではまだなじみが浅 く、市場規模も小さいフェアトレードですが、「公正な貿易」によって開発途上国の商品生産者を支援するこの取り組みは、グローバルには5000品目、4千 億円の貿易額に拡大している。わたしは、衣類、果物、コーヒーなどフェアトレードの品物を目にするとすすんで購入している。


みんぱくの国際交流の一端を館長が紹介します。
by minpaku
| << | 2013年8月 | >> | ||||
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
- 以前の記事
- 2013年 05月
- 2013年 04月
- 2013年 03月
- 2013年 02月
- 2012年 12月
- 2012年 11月
- 2012年 10月
- 2012年 09月
- 2012年 08月
- 2012年 07月
- 2012年 06月
- 2012年 05月
- 2012年 04月
- 2012年 03月
- 2012年 02月
- 2012年 01月
- 2011年 12月
- 2011年 11月
- 2011年 10月
- 2011年 09月
- 2011年 08月
- 2011年 07月
- 2011年 06月
- 2011年 05月
- 2011年 03月
- 2011年 01月
- 2010年 12月
- 2010年 11月
- 2010年 10月
- 2010年 09月
- 2010年 08月
- 2010年 07月
- 2010年 06月
- 2010年 05月
- 2010年 04月
- 2010年 03月
- 2010年 02月
- 2010年 01月
- 2009年 12月
- 2009年 11月
- 2009年 10月
- 2009年 09月
- 2009年 07月
- 2009年 05月
- 2009年 04月







