館長だより
中国民族博物館の建設構想
中国ではオリンピックのメインスタジアム・鳥の巣一帯に中国の国家プロジェクトとして中国民族博物館、中国科学技術博物館(既設)、中国美術館、中国国学中心、中国非物質文化遺産(無形文化財)博物館、など6つの文化施設の創設が計画されている。22日に中国民族博物館の研究部主任鄭茜さん、情報センター館員の向林峰さん(苗族)、収蔵庫部門館員の謝軍さん(チワン族)と国家民族事務委員会財務司立項所所長の宋士坤さんが、博物館創設にあたって民博を参考にするために訪れた。現在、同博物館の要員は40名で、5万平米の地下2階地上4階の建物建設が予定されている。主な議論は、国家レベルでの民博の役割と期待、博物館の柱を研究、展示、社会貢献のどれに軸を置き、研究予算はどれくらいか、メディアへの広報方法、博物館学の研究と展示の成果などで、いずれも鋭い質問に関するものであった。
モンゴルのカラコルム博物館長の訪問
民博の11名の研究者が7月に国際共同研究のために訪れたカラコルム博物館の館長ブンドホロル(B. Bundkhorol)さん、国際遊牧文明研究所研究員のオチル(A. Ochir)さん、モンゴル国立大学社会科学部人類学考古学部長エデネバト(U. Erdenebat)さんらが、大谷大学文学部教授松川節さんの案内で本館を訪れた。今回の日本訪問は、松川さんの科学研究費補助金によるモンゴルのエルデネゾー寺院などの歴史学的研究に伴う招聘である。民博とカラコラム博物館との今後の連携をめぐって、学芸員・研究員の招聘や本館教員の派遣による保存科学研修などについて話し合った。
国際人類学・民族学科学連合(IUAES)の副会長の訪問
IUAES副会長のピーター・スカルニックさん(Peter Skalník、チェコのフラデツ・クラーロヴェー大学上級講師)が10月12日に訪れた。大阪大学の栗本英世教授のアテンドで、民博の展示と図書室を3時間にわたって見学した。広大な展示場と大量の図書文献資料の所蔵には、いたく感心されていた。スカルニックさんは、1960年代からアフリカのガーナ北部で調査した著名な政治人類学者である。最近はポスト社会主義のヨーロッパについても研究を展開している。また、脱植民地期の民主主義などの近代的政治体制の導入と土着の政治・権力体制との相克についての世界規模の比較研究も行っている。私がオセアニア研究者であることから、マリノフスキーのトロブリアンド研究にも関心をもち、1970年代にはPNGに赴き調査をしたことなどについても会話の話題になった。

みんぱくの国際交流の一端を館長が紹介します。
by minpaku
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