館長だより
パリ・デカルト大学のイヴ・シャルビ教授が学術協定調印に
2011年から話し合いを進めていた学術協定調印のために11月30日に、パリ・デカルト大学の人口開発研究所所長のイヴ・シャルビ(Yves Charbit)教授が訪問した。この協定は、今後3年間にわたり、民博とデカルト大学との間の機関間学術協定に基づく研究を行うものである。そのことはじめに、11月30日の調印書に署名をしたあと、シャルビ教授は本館の三島禎子准教授が企画した国際ワークショップにおいて世界の人口変動に関する基調講演を行った。機関間協定は、民博とデカルト大学側の10名余の研究者を中心に国際共同研究を行いその成果を毎年国際シンポジウムとして公開するものである。
博物館学コース研修員の受け入れ
国立民族学博物館は、国際協力機構(JICA)から委託を受け、滋賀県立琵琶湖博物館と共同で、世界各地の博物館の専門家を対象とした集団研修「博物館学コース」を実施している。この研修は1994年からおこなっており、本年度からは防災や保安も教科に加えるなど研修内容をより一層、充実させ、名称も「博物館学コース」と改めている。
中国社会科学院との学術協定の締結
中国の社会科学院民族学・人類学研究所と民博は、研究者の招聘や国際シンポジウムを開催するなど、これまで学術交流を積み重ねてきた。この実績に基づいて、本館は中国社会科学院民族学・人類学研究所と「機関間学術協定」を結ぶことにした。この協定は両機関の複数の研究者が共通のテーマに基づいて国際共同研究ないしシンポジウムを継続的に行い、文化人類学と民族学の研究の発展に資することを目的としている。今年の秋から、本館の韓敏教授を中心に本館および国内の中国研究者が社会科学院の研究者とともに「中国における家族・民族・国家のディスコース」(本館機関研究)についての共同研究と国際シンポジウムを展開する予定である。
中国故宮博物院との学術協定の更新
故宮博物院とのあいだで3年前に調印した学術協定を8月28日に更新した。調印は故宮博物院副院長でチベット文物センター長の陳麗華教授と私が署名した。本調印は、本館と故宮博物院チベット文物研究センターとのあいだで進めてきた「ニシュパンナヨーガーヴァリー」の漢訳が終了し、今後はそれに詳細な注釈をつけて出版を行うことを目的としている。このプロジェクトにおいては、本館の韓敏教授と立川武蔵名誉教授、故宮博物院の羅文華教授と張雅静講師とが共同で研究を推進する予定である。
モンゴルでの国際共同研究
園田直子教授を代表者として、本館から森田恒之名誉教授を含む11名の教員、滋賀県立琵琶湖博物館から楠岡泰研究員が参加して、モンゴル国で6月15日から21日にかけて博物館・博物館学に関する共同研究、ワークショップと講演会を行った。この事業は、日本学術振興会研究拠点形成事業-アジア・アフリカ学術基盤形成型の一環として実施したもので、日本・モンゴル外交関係樹立40周年となる今年度は、モンゴルでの開催となった。
アメリカのズニ博物館との学術協定の調印
5月24日から6月6日にかけて、本館助教の伊藤敦規さんとアメリカ南西部(アリゾナ州とニューメキシコ州)の保留地に住むホピとズニの居留地および博物館を訪問した。
主目的は、アーシウィ・アーワン博物館・遺産センター(A:shiwi A:wan Museum and Heritage Center、通称ズニ博物館)との学術協定の調印と3月に本館で開催した研究公演「ホピの踊りと音楽」の出演者へのお礼とその研究公演の上映会を催すことであった。
韓国蔚山博物館に本館所蔵品の展示
蔚山博物館(金右臨館長)が2011年6月にオープンし、11月29日から第2回企画特別展「75年ぶりの故郷、1936年蔚山達里」が開催され、その開会式典に招待されて祝辞を述べた。この特別展はみんぱくの所蔵品78点で構成されている。その資料は、渋沢敬三さんが主宰したアチック・ミュージアムの同人と協力者が1936年に蔚山の農村・達里で収集したものである。調査には、渋沢さんをはじめ、小川徹さん、宮本馨太郎さんらが、達里出身の東京帝大農学部の学生さんの故郷で調査と収集にあたった。したがって、今回の展示は、農具、かご、運搬具、食器類、婚礼用具などの75年ぶりの「里帰り展示」である。

クンストカーメラとの学術協定の調印およびドイツの博物館視察
![[img]](http://www.minpaku.ac.jp/sites/default/files/kancho20111021-001.jpg)
ロシアのサンクトペテルブルクにあるクンストカーメラ(Kunstkamera)のチストフ(Yu.K. Chistov)館長と10月21日に学術協定の調印を行った。
国立台北芸術大学での国際フォーラム
![[img]](http://www.minpaku.ac.jp/sites/default/files/kancho20110914-001.jpg)
サンクト・ペテルブルグの国立民族学博物館訪問
ロシア国立民族学博物館(The Russian Museum of Ethnography)とロシア科学アカデミーピョートル大帝記念人類学・民族学博物館(KUNSTKAMERA;Peter the Great Museum of Anthropology and Ethnography, Russian Academy of Sciences)を12月2日から9日にかけて酷寒のなか、佐々木史郎副館長と訪問した。ロシア国立博物館では、昨年秋に本館を訪問されたV.グルスマ ン(Vladimir GRUSMAN)館長と再会し、歓迎されるとともに学術交流協定の調印を行うことができた。この博物館は、1895年創設でロシアおよび近隣地域の民族と 文化に関する膨大な資料を収集・所蔵、展示している。修復が終了した特展用の中央ホールは、紫がかった大理石列柱と多様な民族レリーフからなる空間であ る。

教皇庁立ペルー・カトリカ大学との学術協力協定の調印
ペルー・カトリカ大学と本館との学術交流協定の調印が12月1日に館長室において行われた。この調印には、カトリカ大学総長のルイス・ペイラノ・ファルコ 二(Louis Peirano Falconi)教授が来館され、私とのあいだで協定書に署名した。本協定は、齊藤晃准教授を中心とする先住民研究プロジェクトの推進やシンポジウムの開 催、教員の交流などをカトリカ大学との間ですすめることを目的としている。ファルコニ教授は、社会学者で大衆演劇とコミュニケーション論を専門にしてい る。実際に数百人の出演者を指揮、演出して教会演劇を行う芸術家でもある。15年前に故友枝啓泰名誉教授が組織したアンデス国際シンポに参加して、1週間 本館に滞在したことがある。

マダガスカル・アンタナナリヴ大学との学術協定の調印
アンタナナリヴ大学文明研究所/芸術考古学博物館のラディミラヒ・シャンタル(Radimilahy Chantal)館長が本館との学術交流協定の調印 のために、学長代理として来館した。本館は飯田卓准教授を研究代表とするマダガスカルの人類生態学的調査研究を推進している。その研究の遂行のためにアン タナナリヴ大学の博物館を中心に共同調査、情報交換やスタッフの交流を進める予定である。また、マダガスカルの政情が安定したら、「マダガスカル特別展」 を計画しており、当該博物館の所蔵品を活用する計画を立てている。女性館長のシャンタルさんは、マラガシ語(オーストロネシアン「南島語」)を話すことを 誇りにしており、私もオセアニアの同じ言語圏社会を研究していることから、親密感を感じたと述べている。小学生の時はフランス語、中学からは英語教育を受 け、フランス植民地への抵抗感から現在は英語を第二言語にしているという。

エディンバラ大学と学術交流協定を締結
中世の町並みを残した美しい旧市街に建つエディンバラ大学の法学部校舎で5月17日に副学長Stephen Hillier教授と調印式を行った。この協定は、4月からみんぱくに設置された人間文化機構地域研究推進事業「現代インド地域研究」の研究拠点と、エ ディンバラ大学の南インド研究センター・社会科学・政治科学院とが調査研究活動を発展させるために、教員の交流・共同研究等を推進することを目的としてい る。この研究を遂行するための覚書にはみんぱくの拠点代表・三尾稔准教授とエディンバラ大学の南アジア研究センター長の Roger Jeffery教授が署名した。この調印式に集まった、社会人類学、日本、中国、東南アジアなど研究者ら15名にたいし、みんぱく及び現代インド研究拠点 の研究調査活動について三尾准教授がパワーポイントを使って紹介し、理解を深めてもらった。

中国・故宮博物院と研究交流協定の締結
本協定提案者の長野泰彦教授と北京の故宮院において、同常務副院長との間で学術研究交流、とりわけチベット仏教の総合的研究に関する協定を締結した。
当日は、「故宮院蔵伝チベット仏教文物研究中心」の開設式であり、本館のほかハーバード大学とフランス国立科学研究所(CNRS)の2機関とも協定を結 び、また中国外のチベット研究者8 名に「研究員」の資格を授与した。本館の長野泰彦教授と立川武蔵名誉教授がその名誉を得た。長野教授は、12月故宮院において協定にもとづくチベット文物 の研究計画に関するワークショップを実施した。今後、未解読のチベット仏教資料の研究が日中の共同研究によって進むことを期待している。

台湾国立台北芸術大学と学術協力協定の締結
台湾国立台北芸術大学と学術協力協定の締結
本協定の推進者、吉田憲司教授、および小林繁樹教授と台北に赴き、台湾国立台北芸術大学校長 との間で研究者交流、博物館学・教育、学術資料・情報の交換などについての協定書に調印した。台北芸術大学の美術・芸術分野の教育・研究体制の拡充と美術 館、劇場、展示施設などの新設整備には目を見張るものがある。また、台南には国家をあげて壮大な国立歴史博物館を建築中である。

みんぱくの国際交流の一端を館長が紹介します。
by minpaku
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