国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱっく アイヌ文化にであう

 
ぱっくの種類
アイヌ文化にであう
〈樹皮繊維製布〉のマエタレ〈前掛け〉

アットゥは、オヒョウ(ニレ科)などの樹皮の繊維(せんい)からつくった糸で織った布です。この布で仕立てた着物もアットゥと呼ばれます。古くは江戸時代の文書や絵に描かれ、衣類のおもな素材でしたが、しだいに既製の木綿布に変わっていきました。樹皮をはぎ、川や温泉などにつけてやわらかくしてから薄く細く裂いて糸を作り、布に織り上げるのは、たいへん手間と時間のかかる仕事だからです。多くの地域でアットゥは作られなくなっていきましたが、1960年代ころに北海道旅行がブームになると、みやげものの素材として再び生産されるようになりました。

その中心になっていたのが平取町(びらとりちょう)二風谷(にぶたに)で、2013年には、北海道で初めて経済産業省の「伝統工芸品」に指定されました。このマエタレは、二風谷の関根真紀さんが織り、文様をつけたものです。

マエタレはマンタリとも呼ばれ、いずれも日本語の「前垂れ」が変化したものです。女性は家事や作業をするときなどに身につけ、着物を汚さないためばかりでなく、前がはだけないようにしていました。

(解説:齋藤玲子先生)

担当教員からのひとこと

アイヌ語には日本語にない発音があります。アツトゥの「」のように小さく表記し、読むときは軽く発音します。くわしくは『アコイタ』を見てみましょう。

アットゥの着物は水や風にも強いので、本州でも漁師などが使用していました

参照資料

『アイヌ文化の基礎知識』 p.76~97
『アイヌ刺しゅう入門』
『アイヌ民族もんよう』
『アイヌ民族:歴史と現在 小学生用』 p.8、9
『アイヌの人たちとともに』 p.22、23
『アコイタ

モノ情報カード

アットゥ〈樹皮繊維製布〉のマエタレ〈前掛け〉

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