国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「アチック・ミューゼアム・コレクション」

アチック・ミューゼアム・コレクション来歴

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 そもそも敬三が旧制中学・高校時代の友人たちと収集した郷土玩具などを、自邸のガレージの屋根裏部屋の陳列棚にならべて楽しんでいた『博物館ごっこ』がこの博物館のはじまりでした。しかし、この『博物館ごっこ』が敬三の成長とともに民族学研究のための本格的な学術標本資料コレクションに発展していきます。大人になった彼は、日本人のごく普通の暮らしに、強い関心を示すようになり、一般の人たちが日常的につくり使ってきた生活用具を「民具」と名づけ、志を同じくする同人たちとともに各地に調査収集旅行をおこない、収集と研究に力を注ぐようになりました。それとともに「アチック・ミューゼアム」も、民俗学・民具研究の先駆的研究所へと発展しました。そして1939(昭和14)年、これらのコレクションは日本民族学会附属研究所と附属博物館に引き継がれます。

 この博物館は、1952年に施行された博物館法により、正式の博物館として登録され、「日本民族学協会附属民族学博物館」として一般に公開されました。しかし、年月とともに建物の老朽化がすすみ、貴重な資料の保存が困難になってきたため、「将来、国立の民族学博物館が創建された場合には同館に移管するように」との要望をそえ、1962年秋、すべての資料を国に寄付するとともに、日本民族学協会附属民族学博物館は活動を終えました。

 月日は流れ、1975(昭和50)年、国立民族学博物館(みんぱく)の設立とともに、当時の文部省史料館(現在の国文学研究資料館史料館)に保管されていたこれらのコレクションがみんぱくに移されました。その点数は約2万1,000点にもおよび、現在(2000年時点)のみんぱくの収蔵物の約1割にあたります。