国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

グローバル支援の人類学――変貌するNGO・市民活動の現場から  2017年3月31日刊行
信田敏宏白川千尋宇田川妙子 編 昭和堂
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

人はなぜ、遠くの地に暮らす他者に手を差し伸べるのか?その歴史的な背景や世界各地での実情を明示しながら、グローバル支援のメカニズムを解明する。本書は、グローバルな価値をめぐる模索の一つとして、新たな世界観・社会観の構想の試みでもある。

目次

序論 グローバル支援の人類学
第Ⅰ部 グローバル支援への視座
 第1章 グローバル支援の歴史的位置づけ――「開発援助」の生成と変容
 第2章 グローバルな互酬を構想する
 第3章 市民社会と協同組合――フィリピンとセネガルの農村アソシエーション
 第4章 NGOの人類学は何をめざすのか―民族誌アプローチとアナーキスト人類学の動向
第Ⅱ部 アクターの多層性
 第5章 関わりの継続性――日本の国際協力NGOと社会的問題
 第6章 参加するのは私たち――学生たちが国際ボランティアに参加する動機と意義
 第7章 古着がつむぐ国際協力――パキスタンの学校を支える日本のNGO
 第8章 「まなびあい」から気づく当事者性――インドネシアと日本の農山村をつなぐ試み
 第9章 知的負債の返済は可能か――タイ先住民NGOワーカーと人類学者
第Ⅲ部 新たな関係性の構築
 第10章 なぜ持続しないのか――ソロモン諸島における開発NGOの実践と矛盾
 第11章 市場を変える、地域から変える――イタリアの社会的協同組合の模索
 第12章 核と向き合う地域社会――韓国の放射性廃棄物処理場建設反対運動
 第13章 宗教を越えたNGOの協働――タイ南部インド洋津波被災地における支援活動
 第14章 農民からグローバル市民へ?――フランスにおける農民支援アソシエーションの事例から