国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

島に住む人類――オセアニアの楽園創世記  2017年7月31日刊行
印東道子 著 臨川書店

出版物情報

主題・内容

大航海時代に「楽園」と描写されたオセアニアの風景は、島に移住した人類が数千年かけて創り出したものである。資源の限られた島環境でも王国が出現するなど、多様な暮らし方の工夫を考古学・民族学資料から紹介。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

・オセアニアは最初から楽園ではなかった
・移植された景観の多様性
・高度に発達した物質文化と王国の社会
・現代のオセアニア国家が直面する悲劇

目次

はじめに
一章 島の暮らしを読み解く
研究の歴史/オセアニアは「天然の実験室」
二章 人はいつから島に住んだのか
海を渡った旧石器文化集団/あとから来た新石器文化集団/ポリネシアからアメリカ大陸への往復
三章 島で生きる工夫
狩猟と漁労/栽培と飼育/島嶼間交流
四章 島の食料事情
植物食/動物食/調理の工夫/保存食と航海食
五章 物質文化と技術
航海用具/漁労具/工具・利器/ロープ・繊維/土器/交換財・貨幣
六章 社会形態の違いとその背景
部族社会/ビッグマン社会/首長制社会(階層社会)/ミステリー・アイランド
七章 グローバル時代に生きる島人
歴史に翻弄された島々/伝統とハイテク/辺境の島はいま/海面上昇に脅かされる島々
終章 島に住む
参考文献・初出一覧・索引