国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

肉食行為の研究  2018年3月9日刊行

野林厚志 編

平凡社

出版物情報

主題・内容

人間はどのように肉を食べてきたのか、人間の肉食をめぐる問題群を文化誌、人類史、イメージ、グローバリズムの4つの章から考えます。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

人類学を中心に、人文・自然科学の枠を超えた研究者たちが、人間の肉食をめぐる問題群を全方位的に考え抜いた、前代未聞にして画期的な共同研究の成果です。

目次

1 肉食行為の文化誌
(北アメリカ極北先住民社会における肉食―その意義と問題点;食べられる肉/食べられない肉―ボルネオの狩猟民シハンにみる肉食概念のあいまいさ;ネズミからゾウまで―アフリカ熱帯における狩猟採集民の狩猟・調理・摂取・禁忌;パプアニューギニア高地における肉食)
2 肉食行為の人類史
(肉食行動の進化―ヒト以外の霊長類の肉食と比較して;ヒト化と肉食―初期人類の採食行動と進化;家畜化は肉食に貢献したか―狩猟から牧畜への肉食行為の変化;現代の「狩猟採集民」にとっての肉食とは何か)
3 肉食行為のイメージ
(古代インドの儀礼文献における肉食行為;日本における動物供犠と肉食の穢れ;禁断の肉?―人類学におけるカニバリズムの虚実;肉食行為の心理学)
4 肉食行為のグローバリズム
(グローバル時代の食肉需要と供給の変化;動物感染症と世界の食肉生産;食肉の原産地証明の課題―ハモン・イベリコを事例として;動物福祉の論理と動物供養の倫理)