国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

ビーズでたどるホモ・サピエンス史―美の起源に迫る  2020年3月31日刊行

池谷和信(編)

昭和堂
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

ビーズは現生人類の最初のアートと呼ばれる。その素材や細工は地域や時代によって多種多様。富や威信、集団の象徴など社会的役割も担ってきた。本書では、ビーズの誕生した約十万年前から現在まで、地球全域をフィールドに、ビーズを軸にホモサピエンス史をたどる。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

現生人類最古のアート、ビーズの誕生した12万年前から現代まで地球全域をフィールドにまさにビーズをつなぐように人類の歴史を描き出す。

目次

はじめに
序 章 人類とビーズ
Ⅰ ビーズの誕生とその展開
第1章 人類最古のビーズ利用とホモ・サピエンス―世界各地の発見から
第2章 新石器時代のストーンビーズ―狩猟採集・初期農耕時代のアジア
第3章 縄文時代の装身具―多様な素材と翡翠ビーズ
第4章 先史琉球の貝ビーズ文化―豊かな素材と素朴な文化
Ⅱ 古代国家と古代文明の形成・展開
第5章 古代日本とユーラシア―ガラスビーズからみる交易
第6章 インダス文明のカーネリアン・ロード―古代西南アジアの交易ネットワーク
第7章 弥生・古墳時代の多様なビーズ―社会の複雑化と装飾
第8章 古代エジプトの社会をつなぐビーズ―王と家臣、神と人
第9章 中国文明の宗教芸術にみるビーズ―敦煌莫高窟の菩薩装身具
Ⅲ 大航海時代と世界システム
第10章 アフリカに渡ったガラスビーズ―ビーズ文化を受容した社会、しなかった社会
第11章 アイヌと北方先住民を結ぶガラスビーズ―交易の歴史と文化的役割
第12章 オセアニアのガラスビーズがきた道―航海誌・考古学・民族資料からたどる
第13章 オセアニアの貝ビーズ文化―欧米化のなかの婚資と地域通貨
Ⅳ 地域文化の持続と変容―ビーズからみた現代世界
第14章 東アフリカ牧畜社会の若者文化―ビーズにみる社会と文化の変容
第15章 台湾原住民族の文化の多様性―ビーズにみる過去と現在
第16章 現代アイヌのタマサイ―文化のシンボルとしてのビーズ
第17章 タイの若者文化と土製ビーズ―流行と衰退が映す社会の変容
第18章 日本で華開くビーズ文化―ガラスビーズ・ビーズバッグ・ビーズ織り
おわりに―人類の美の起源を探る