国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2001年10月12日(金)
国立民族学博物館公開講演会「民族学と現代―凝集する民族・拡散する民族―」

  • 日 時:2001年10月12日(金) 18:00~20:00
  • 場 所:日経ホール(日本経済新聞社ホール)
        東京都千代田区大手前1-9-5 日本経済新聞社ビル内
  • 主 催:国立民族学博物館 / 日本経済新聞社
  • 参加費:無料
 

プログラム

18:00~18:05 開会 鈴木誠二(日本経済新聞社取締役大阪本社編集局長)
18:05~18:20 挨拶・講演 「民族学は共生の学」 石毛直道館長
18:20~19:10 講演1「大国にはさまれたブータンの文化政策」
栗田靖之教授
19:10~20:00 講演2「ワシントンD.C.の韓国人料理店 ─ コリアン・アメリカン研究にむけて ─」
朝倉敏夫教授
講演1 「民族学は共生の学」

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石毛直道(いしげなおみち)
国家と民族の関係をめぐって、世界がゆらいでいる。民族をぬきにして、これからの世界秩序を語ることはできない。民族とは文化によって結ばれた集団である。国家のなかで、複数の民族が共生するためには、異文化理解が欠かせない。多民族国家化することが予想される日本にとって、民族学の果たす役割はおおきい。

講演2 「大国にはさまれたブータンの文化政策」

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栗田靖之(くりたやすゆき)
ブータンは、ヒマラヤの南山麓に位置する人工約70万人の王国である。南にはインド、北には中国、西にはネパールがある。このような大きな国にはさまれながら、ブータンは独自の生き方を模索している。とくに文化面では、自国の文化を守ることが、国民の愛国心を涵養し、それが強いては自国の防衛につながると考えている。このような自国の文化を大切にしようとする運動が、時にはブータンに居住するネパール系ブータン人との間に軋轢を生んでいる。それに加えて、ブータンが教育と医療を無料にしていることは、周辺の貧しい人々を吸引するという結果をも招いている。今日のブータンの現状を紹介しながら、大国にはさまれたブータンの生き方について考えてみたい

講演3 「ワシントンD.C.の韓国人料理店─コリアン・アメリカン研究にむけて─」

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朝倉敏夫(あさくらとしお)
アメリカ合衆国に居住する韓国系アメリカ人は、統計上でも180万人を越え、ロスアンジェルスやニューヨークなどの大都市にはコリアン・タウンがある。今回は2000年11月から5ヶ月滞在したワシントンD.C.地区でのコリアンアメリカンの人類学的調査の中から、「食」に焦点をあて、ことに彼らの従事する料理店の経営スタイルを通して、彼らの生活のあり様を追求してみたい。

 

当日の様子

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