国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2003年2月25日(火)
みんぱく学術フォーラム「映像メディアと民族学」

  • 日 時:2003年2月25日(火) 13:30~17:00
  • 場 所:MIDシアター 大阪市中央区城見2-1-61
       (JR・京阪京橋駅徒歩5分)
  • 主 催:国立民族学博物館 / 産経新聞社 / 関西2100委員会
  • 参加費:無料

20世紀において、映像による情報の伝達技術は飛躍的な発展を遂げます。この時代の主役は、映画やテレビといったマスメディアでした。
21世紀をむかえ、インターネットの発達とともに、無名の個人の制作による映像作品であっても、世界中にダイレクトで伝達しうる時代になりつつあります。その結果、膨大な数の民族文化の映像情報も世界の隅々までに伝播されるようになるでしょう。映像メディアは、見るものに多様な楽しみをもたらす一方で、さまざまな誤解をあたえる危険をはらんでいます。
このフォーラムでは、多様な楽しみと誤解をもたらす映像の仕組みを、現地調査にたずさわる民族学者とともに討論します。

 

プログラム

12:30~13:30 受付
13:30~13:35 開会
13:35~15:25 講演「映像メディアと民族学」
司会進行 大森康宏
演者
 大森康宏「誤解する映像」
 横山廣子「映像の力」
 飯田卓「主張する映像」
 三島禎子「切り取られた映像」
15:25~15:40 休憩
15:40~17:00 パネルディスカッション(アンケートの内容から)
司会進行 大森康宏
「誤解する映像」

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講演者:大森康宏(民族文化研究部・教授)
映像は真実らしく見えるゆえに、誤解を引きおこします。いかに誤解が生じるか、について会場で実験しつつ、映像製作のしくみを紹介します。

<講演者プロフィール>
日本における映像人類学のリーダー。ヨーロッパの移動民マヌーシュ(ジプシー)、アフリカのプール族、インドネシア・バリ島、ミクロネシア、日本の下北半島のイタコなど、43本の映画を制作。

「映像の力」

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講演者:横山廣子(民族社会研究部・助教授)
私たちが物を認識したり、行動様式を学習したりする際、映像は大きな影響を与えます。中国での事例をもとに、映像が持っている力についてお話しします。

<講演者プロフィール>
中国・雲南省のペー族やビルマの中国系住民の調査に従事。ペー族農民社会の変容、民族集団間の相互作用などを現地調査と歴史的資料をもとに研究。

「主張する映像」

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講演者:飯田卓(民族文化研究部・助手)
異文化についてのテレビ番組を題材にして、番組制作者と民族学者の異なる見解を比較しつつ、映像による異文化の取りあげ方についてお話しします。

<講演者プロフィール>
マダガスカル、マレーシア、日本などの漁村で調査に従事。人と海の関わりを出発点として、漁民社会の経済や環境の問題を研究。近年は、民族学とメディア社会の関わりについて共同研究を推進。

「切り取られた映像」

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講演者:三島禎子(民族社会研究部・助手)
切り取られた現実としての「映像」と生活の「実態」はしばしば大きく異なります。日本から遠く離れた世界として認識されるアフリカを題材にして映像のもつ意味をお話しします。

<講演者プロフィール>
アフリカからヨーロッパやアジアへ移動する人びとについて調査。民族の伝統文化として移動をとらえるとともに、定住地における出稼ぎ民による社会・経済開発の動きなどについても研究。

 

当日の様子

    参加人数 461人
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