国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2005年3月23日(水)
学術公開フォーラム「災害の記憶―災害エスノグラフィーからコミュニティの防災を考える―」

国立民族学博物館の先端的な研究活動の成果のなかから、現在の日本社会にかかわりをもつテーマを取り上げた公開フォーラムを開催し、研究活動の成果の社会還元を積極的に行い、一般市民に民族学を通じての異文化理解と広く国立民族学博物館が学術研究機関であることの認識を深めてもらうことを目的とします。

今回の学術公開フォーラムでは、公的な記録には残らない災害の記憶に焦点を絞り、これを活用していくための新たな防災のあり方を提言します。

  • 日 時:2005年3月23日(水) 18:00~20:30
  • 会 場:千里ライフサイエンスセンター ライフホール
        豊中市新千里東町1丁目4番2号
  • 主 催:国立民族学博物館 / 毎日新聞社
  • 参加費:無料

プログラム

17:00~18:00 受付
18:00~18:05 開会 毎日新聞社代表
18:05~18:10 挨拶 国立民族学博物館長 松園万亀雄
18:10~19:00(50分) 基調講演 災害を理解する ─ 災害エスノグラフィーの試み ─」 重川希志依
19:00~19:10 休憩
19:10~20:30(80分) パネルディスカッション
 コーディネイター
   佐々木史郎(国立民族学博物館教授)
 パネリスト
   重川希志依(富士常葉大学環境防災学部教授)
   ラジブ・ショウ(京都大学大学院地球環境学堂助教授)
   寺田匡宏(国立歴史民俗博物館外来研究員)
   林勲男(国立民族学博物館助教授)

重川希志依

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災害に強い人づくりを目指し社会の防災力を上げるための方法について、主として社会科学的な側面から取り組んでいる。阪神・淡路大震災や新潟県中越地震などでは、災害対応の現場を中心としたフィールドワークを行っている。

災害現場における知恵の体系化をめざし、知恵を共有するための手法として災害エスノグラフィーを用いたこれまでの成果をお話したいと思います。

ラジブ・ショウ

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環境問題や防災へのコミュニティの取り組みについて、おもに途上国での研究と開発プロジェクトの運営に携わっている。都市におけるリスク・マネジメントについても広く関心をもつ。

防災の課題は、知識と実践のギャップを埋めることです。家庭やコミュニティと連携した防災教育の重要性について、国や地域を越えた取り組みを具体的にお話し致します。

寺田匡宏

メタヒストリー、歴史表象論の立場から人間と過去の関わりを研究。阪神大震災後の市民・NGOによる被災地での「まちのアーカイブ」づくりの経験をもとに、近年は「記憶の<分有>のためのミュージアム」を提唱している。

災害の記憶とはどのように伝わり、どのように伝えられるべきものなのでしょうか。記憶を伝える装置としてのミュージアムの可能性についてお話しします。

林勲男

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南太平洋の文化や歴史について研究し、おもにパプアニューギニアでフィールドワークをおこなっている。近年はニューギニアの津波被災地の復興過程や、火山の観光資源開発について調査している。

被災者は災害の記憶をどのように残そうとしているのか。エスノグラフィーという手法によるアプローチとともに考えてみたいと思います。

 

当日の様子

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