国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2014年3月20日(木)
みんぱく公開講演会「働き者と、ナマケモノ!?―『はたらきかた』文化論」

チラシダウンロード[PDF:1.32MB]
  • 主 催:国立民族学博物館・毎日新聞社
  • 日 時:2014年3月20日(木)
        18:30~20:45(開場17:30)
  • 場 所:オーバルホール
       (大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞社ビルB1)
  • 定 員:480名
  • 参加費:無料(要申込/「参加証」が必要です)
  • 手話通訳あり
 

趣旨

日本でも労働や雇用をめぐって昨今さかんに取りざたされていますが、はたらきかたを見直し、人生におけるはたらくことの意味を問い直す時期にさしかかっているのかもしれません。今回の講演会では、「はたらきかた」をある社会や集団ごとの文化として見なし、高度福祉国家フィンランドにおける移民を含む労働者、成果がつねに不確実性をはらむ日本のカツオ漁業者などの例から、労働観、勤勉観のさまざまを考えます。

プログラム

17:30~18:30 受付  
18:30~18:35(5分) 開会 若菜英晴(毎日新聞大阪本社編集局長)
18:35~18:40(5分) 挨拶 須藤健一(国立民族学博物館長)
18:40~19:15(35分) 講演1 「『勤勉は身を助く』-フィンランド的処世術からの検証」
庄司博史(国立民族学博物館教授)
19:15~19:50(35分) 講演2 「『カツオの狩人』たちの働きぶり-オキにおける漁業労働と生活文化」
若林良和(愛媛大学南予水産センター副センター長・教授)
19:50~20:10(20分) 休憩  
20:10~20:45(35分) パネル・ディスカッション 平井京之介(国立民族学博物館教授)×若林良和×庄司博史
〔司会:樫永真佐夫(国立民族学博物館准教授)〕

申込方法

「3月20日講演会参加希望」と明記の上、ハガキ、又はメールにてお申し込みください。お申し込みの場合は、次の1)~5)を記載してください。
1)郵便番号
2)住所
3)氏名
4)連絡先電話番号
5)今後の講演会などのご案内送付希望の有無(次のア~ウのうち希望する記号 →ア.講演会を含む民博主催の研究会・催物等の案内を希望する/イ.講演会のみの案内を希望する/ウ.いずれの案内も希望しない)
2月下旬より順次参加証を発送する予定です。
*応募者が多数の場合はご参加いただけない場合もあります。
*2名様以上でお申し込みの場合は、それぞれの方について1)~5)をご記載ください。
*手話通訳をご希望される方、車椅子をご利用される方は、お席をご用意いたしますのでお申し込みの際に必ずその旨ご記載ください。
*参加申込をいただいた方の個人情報は、参加証の発送、次回以降の講演会などのご案内以外には使用いたしません。

宛先

  • 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
  • 国立民族学博物館 研究協力課 宛
  • FAX 06-6878-8479
  • メールアドレス koenkai@idc.minpaku.ac.jp

注意事項

  • 会場には必ず参加証をご持参ください。参加証はお一人様一枚となっております。
  • 参加証がない方は会場には入れないことがありますのでご注意ください。

問合せ先

  • 国立民族学博物館 研究協力課研究協力係
  • TEL 06-6878-8209

講演内容

講演1「『勤勉は身を助く』―フィンランド的処世術からの検証」 庄司博史(国立民族学博物館教授)
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世の中では勤勉が身を助けるといわれています。果たしてそうでしょうか。フィン ランド人の生活をみているとつくづくそう思います。労働時間も作業効率も生産性も 決して日本よりすぐれているとは思えません。それでも5時になれば職場をはなれて 家族生活に十分時間を使い、確実に1カ月以上の年次休暇を楽しめます。よほど望ま ないかぎり路上に放りだされることのない彼らにとって、勤勉とは労働観とは何でし ょうか。

<講師紹介> 

専門は言語学・言語政策論、移民言語。近年は、少数言語、特に日本をふくむ各国 での外国人コミュニティのもたらした多言語状況とその影響が研究課題。主な共編著に「事典 日本の多言語社会」(2005年、岩波書店)、「講座 世界の先住民族 ファースト・ピープルズの現在 ヨーロッパ」(2005年、明石出版)、「日本の言語景観」(2009年、三元社)などがある。

 
講演2「『カツオの狩人』たちの働きぶり-オキにおける漁業労働と生活文化」
若林良和(愛媛大学南予水産センター 副センター長・教授)
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大海原で泳ぐカツオの群れを狩るカツオ一本釣り。カツオの漁撈も3K(きつい、きたない、危険な)労働とされ、常に不確実性をはらんでいます。カツオ漁船で営まれる生活の生産と消費に注目してみますと、私たちの生活に比べ特徴的であり、オキ(海上)の論理や漁民の心性が浮かびあがります。日本漁船のほか、異なった文化的背景を持つ漁民が 乗り組む混乗漁船でのフィールドワークの成果をもとに検討します。

<講師紹介>

専門は水産社会学、カツオ産業文化論。国内外のカツオ漁撈や鰹節製造の調査研究に従事し、カツオの価値を問い直すべく、日本カツオ学会を設立し、初代会長を務める。主な著書に「カツオ一本釣り」(1991年、中央公論社)、「水産社会論」(2000年、御茶の水書房)、「カツオの産業と文化」(2004年、成山堂書店)、「カツオと日本社会」(2009年、筑波書房)などがある。

 
パネル・ディスカッション 平井京之介(国立民族学博物館教授)
<コメンテータ紹介>
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専門は社会人類学、東南アジア研究、日本研究。タイの日系工場、ラオスの仏教寺院、水俣のNGOなどについて調査研究してきた。主な編著書に「微笑みの国の工場」(2013年、臨川書店)、「実践としてのコミュニティ」(2012年、京都大学学術出版会)、「村から工場へ」(2011年、NTT出版)などがある。

 
地図

オーバルホール(大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞社ビルB1)

  • ○ JR大阪駅(桜橋口)から地下道にて徒歩約8分
  • ○ 阪神梅田駅・地下鉄西梅田駅から徒歩約8分
  • ※車でのご来場はご遠慮ください。