国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2012年3月4日(日)
《機関研究成果公開》国際シンポジウム「包摂した社会空間の実現にむけて―課題とインクルーシブデザインの解決モデル―」

  • 日時:2012年3月4日(日) 9:30~17:00
  • 場所:国立民族学博物館 第4セミナー室(定員60名)
  • 使用言語:日本語、英語 *同時通訳あり
  • 参加方法:事前要申込/参加費無料
  • チラシダウンロード[PDF:199KB]
※お申し込みの受付は終了いたしました。
[申込先]
国立民族学博物館インクルーシブシンポ事務局
mail:officenova★idc.minpaku.ac.jp※★を@に置き換えて送信ください。
FAX:06-6878-7503
 

趣旨

本シンポジウムでは、インクルーシブデザインがケアと育みに対して果たす役割を、共生のための環境の創出という観点から考えること目的とする。ケアや育みといった行為が効率的かつ効果的にその目的を達成するためには、解決するべき課題が抽出されたうえで、それを克服するための環境が不可欠となる。ケアと育みを理念上のものだけでなく、諸実践に具体化していくための方法論を具体的な事例にもとづき議論する。特に、今回のシンポジウムでは、博物館や美術館における経験の共有のためのプログラムや展示デザイン、障害者の自立を支援から協働へと変えていく社会的なデザインをとりあげることにしたい。

*インクルーシブデザインとは
インクルーシブデザインは、ユニバーサルデザインのような共通項を見いだす立場とは異なり、多様な存在を包摂する社会の形態を指向するものである。1980年代後半にアメリカで提唱されたユニバーサルデザインに対して、インクルーシブデザインは1990年代にはいりヨーロッパ、特にイギリスを中心に新たなデザインコンセプトとして提唱された。とりあつかう対象は比較的明確であり、高齢社会、障害者、医療問題、労働問題、都市問題といった現代社会の日常的、かつ将来的問題を解決するためのデザインと位置づけることができる。

プログラム

9:30~9:50 趣旨説明  
9:50~12:10 セッション1 「ケアと喜び―美術館と社会的行為」
 ジリアン・ウォルフ(ダルウィッチ美術館)
「課題マッピング:来館者の気づきデータベース
 藤智亮(九州大学芸術工学研究院)
「さわって物を理解する:物質文化研究を伝えるハンズオン展示」
 野林厚志(国立民族学博物館)
12:10~13:10 昼食  
13:15~15:35 セッション2 「学びと余暇のための五感で感じる環境のデザイン」
 マイク・エアーズ(マイク エアーズデザイン)
「平等性と対等性:尊厳のためのデザインリサーチ」
 水野大二郎(京都造形大学)
「ソーシャルビジネスとアート&デザインの可能性」
 播磨靖夫(財団法人たんぽぽの家)
15:55~16:55 総合討論 《コメント》
真鍋徹(北九州市立自然史・歴史博物館)
16:55~17:00 閉会  

実行委員会

  • 野林厚志(国立民族学博物館研究戦略センター教授・実行委員長)
  • 鈴木七美(国立民族学博物館先端人類科学研究部教授)
  • 平井康之(九州大学/国立民族学博物館客員教員)