国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2014年3月30日(日)
公開シンポジウム「伝統と創意―台湾における原住民族工芸」

チラシダウンロード[PDF:2.07MB]
  • 日時:2014年3月30日(日)13:20~16:45
  • 場所:国立民族学博物館 講堂
  • 一般公開(参加無料/申込不要/定員450名[先着順])
  • 主催:国立民族学博物館
  • 協賛:台湾文化部「台湾文化光点計画(supported by Dr. Samuel Yin)」
  • 協力:台北駐日経済文化代表処・台北文化センター
 

趣旨

みんぱくは台湾の民族文化に関する道具や衣装を約6000点収蔵しています。これらの資料は学術資料として研究されてきただけでなく、その文化を担う当事者の台湾原住民族の人たちからも注目されてきました。原住民族の人たちと台湾の研究者、日本の研究者が協働して、こうした博物館の資料の調査、研究を行い、単なるレプリカづくりではない、「重製」という営みが生まれました。「重製」とは、受け継がれてきたもの作りの技術とその礎となってきた価値観や世界観までもこめた工芸品を創りだすという原住民族の人たちの心いきでもあります。一方で、日常の製作活動にも新たな技術や技巧がとりいれられ、創意工夫が生まれることも原住民族工芸の特徴です。

民族の文化や歴史を伝えてきた原住民族工芸が伝統と創意に満ちあふれた魅力あるものということを、タイヤル族、パイワン族、プユマ族の工芸作家、研究者を招き、ともに考えます。

プログラム

13:20~13:30 館長挨拶
須藤健一(国立民族学博物館長)
13:30~14:00 「趣旨説明と講演者紹介」
野林厚志(国立民族学博物館)
14:00~14:50 「タイヤル族の染織工芸」
尤瑪達陸、弗耐瓦旦(野桐工房)
15:10~16:00 「パイワン族の刺繍工芸」
陳利友妹(陳媽媽工作室)
16:00~16:45 「台湾原住民族工芸の現在、そして未来」
林志興(国立台湾史前文化博物館)

プロフィール

尤瑪達陸/ユマ・タルー(タイヤル族工芸作家)
弗耐瓦旦/ブナイ・ワタン(タイヤル族工芸研究家)

苗栗県象鼻村で、染織工房である野桐工房を主宰。
尤瑪はタイヤル族の伝統的な織物を継承しながら、新たな創作活動も行う原住民族工芸作家の第一人者。弗耐は自らも工芸品を作成しながら、工芸創作の過程を映像で記録する映像作家でもある。

陳利友妹/チェンリー・ヨウメイ(パイワン族工芸作家)

台東県太麻里郷で刺繍小物や衣装を製作、販売する工房を主宰。幼いころに刺繍や洋裁の技術をまなび、集落にもどって日常のものづくりを大切にしながら、台湾内外の展覧会に出展される作品まで手がける。民族をこえて若い世代への教育も積極的に行う活動を展開している。

林志興/リン・ツーシン (国立台湾史前文化博物館研究員・プユマ族)

台湾の博物館人類学の第一人者。多文化共生の場としての博物館の社会的意義について調査、研究をすすめてきた。研究だけでなく、詩作にもすぐれ、多くの作品を発表している。

野林厚志(国立民族学博物館教授)

台湾原住民族の民族考古学を専門とする。博物館資料の調査や研究を通じて、台湾原住民族工芸の歴史や現在の状況に関心を抱く。