国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2017年9月9日(土)
一般公開国際シンポジウム「カナダ先住民の歴史と現状」

8月に開催されたトライバル・ジャーニーズ2017の様子、カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州キャンベルリーバー、岸上伸啓撮影
  • 日時:2017年9月9日(土)14:00 - 16:40
  • 場所:国立民族学博物館 第4セミナー室
  • 共催:日本カナダ学会、国立民族学博物館
  • 使用言語:日本語・英語(同時通訳付)

※本シンポジウムは、公開のため一般の方も参加できます。事前の参加登録は必要ありませんが、満席の場合は入場できないことがあります。ご質問のある方は、岸上伸啓までメールでお問い合わせ下さい。
E-mail: inuit★idc.minpaku.ac.jp
    ※★を@に置き換えて送信ください。

※「平成29年度カナダ学会第42回大会」を民博で開催します。
  詳しくはこちら

 

趣旨

2017年にカナダは建国150年を迎えた。国是は多文化主義であり、先住民はカナダの重要な構成員である。1982年のカナダ憲法において、カナダの先住民は「インディアン」、「メティス(メイティ)」、「イヌイット」であると規定されている。なお、「インディアン」は、現在では一般に「ファースト・ネーションズ」と呼ばれている。2011年の国勢調査によると、ファースト・ネーションズ、メティス、イヌイットの人口は、それぞれ約85万人、約45万人、約6万人であり、その人口はカナダ総人口の約4パーセントに相当し、増加の傾向が見られる。
カナダ先住民の歴史は、16世紀初頭のヨーロッパ人の到来と、その後の植民化と建国によって大きく変わった。その歴史の流れをヨーロッパ人との関係から見ると、独立期、接触期、共存期、被支配化・同化期、再自律化期に大別できる。再自律化にあたる1970年代半ば以降、カナダ政府の先住民政策は大きく転換し、特に近年では先住民による自治や政治的自律化の動きが県庁である。本シンポジウムでは、カナダ国家との関係に留意しつつ、カナダの先住民社会の歴史と現状について紹介し、議論する。
最初にアラン・マクミランがカナダ先住民全般とブリティッシュコロンビア州の先住民の歴史と現状について基調講演をした後、太田和子がカナダ東部におけるフランスからの入植者であるアカイディア人と先住民の関係について、山口未花子がユーコン準州のカスカ社会について、岸上伸啓が極北地域と都市部のイヌイット社会について、そして齋藤玲子が日本のアイヌ民族とカナダ先住民との文化交流について報告する。その上で、カナダの先住民社会の歴史と現状について検討を加える。

 

プログラム

総合司会:岸上伸啓(国立民族学博物館教授)

14:00 - 14:40 基調講演「カナダの先住民族――多様な歴史と現代の課題」
アラン・D・マクミラン(サイモン・フレーザー大学)
14:40 - 15:20 「カナダ東部地域(沿海諸州)の先住民・非先住民関係――バーント・チャーチ事件から見えてくるもの」
太田和子(元共立女子大学)
「先住民カスカの生業を通じた変化と現状」
山口未花子(岐阜大学)
15:20 - 15:40 休憩
15:40 - 16:20 「カナダ・イヌイット社会の歴史的変化と現状」
岸上伸啓(国立民族学博物館教授)
「カナダ先住民とアイヌ民族の文化交流」
齋藤玲子(国立民族学博物館准教授)
16:20 - 16:40 質疑応答・総合討論
16:40 終了