国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館所蔵の琉球資料の研究

共同研究 代表者 佐々木利和

研究プロジェクト一覧

目的

国立民族学博物館(以下民博)が所蔵している琉球関係資料およそ千数百件は、東大からの寄託資料や旧アチックミュージアム資料を含め、貴重なものが少なくない。しかし、これらの資料の持つ学問的価値などについては完全に把握されているわけではない。たとえば、人頭税に関するカイダー字板札や藁算などは民博がもっとも多く所蔵している資料であるが、一部の研究者以外には知られていない。ために人頭税研究にはあまり利用されていない。

本研究は、民博所蔵の資料について精査し、特に今回は人頭税関係資料の調査・研究を行うことを目的とする。それらを通して民博資料の学問的価値、文化財的価値を改めて考えてみようというものである。を持ってきた。日本人による異文化研究とともに、文化人類学からする自文化研究の意義は何か、問う必要もある。こうした多角的側面から、日本の人類学の歴史を考察するのが、本研究の目的である。

研究成果

本研究の主たる目的は、民博所蔵の人頭税関係資料の把握がその第一であった。民博のそれは(1)田代安定蒐集にかかる藁算(2)カイダー字板札(3)カイダー字帳などであるが、これはすでに沖縄県内においても収蔵されている件数が極めて少ないものであることが確認された。国内ではほかに東京国立博物館に同じ田代安定寄贈資料(明治20年)が存在する。

カイダー字板札は民博が2枚、東博に1枚、喜宝院蒐集館に不完全なものが1枚それぞれ確認された。 藁算はおおむね甲部(本島)乙部(先島)に二分され、合わせて100点程度が保管される。このなかには重複したものもあり、それを除くと数は若干減少するが、なお、最大のコレクションであることは間違いない。保存状態の必ずしも良くないものもあり、かつ、藁という素材を考えると早急な保存措置を講ずる必要がある。これに関しては栗田文子氏による復元がなされているが、その作品は民博には収蔵されない。

2009年度

石垣市・宮古島市において里帰り展を念頭に置き、図録編纂ないしはデータベースによる資料の公開をおこなう。図録は研究報告を兼ねて当館の出版物を利用する。

【館内研究員】 笹原亮二
【館外研究員】 大濱憲二、小禄裕子
研究会
2009年12月10日(木)14:00~18:00(国立民族学博物館 第1演習室)
2009年12月11日(金)10:00~17:00(国立民族学博物館 第1演習室)
成果とりまとめのための議論・打ち合わせ
研究成果

昨年度、一昨年度の調査結果をふまえての調査結果は、これらの資料軍については東京国立博物館収蔵品と大きく関連することが判明した。そのため量感の資料の比較調査がなされる必要があるが、本研究においては、佐々木の調査報告をおこなっただけで、共同研究員が比較研究を行ったわけではなく、この点将来の調査を待つことになる。とはいえ、当館所蔵品はその質、内容ともに現存する最大最高の資料と評価しうる結論を得た。

2008年度

昨年度の研究会において、民博所蔵の人頭税関係資料について、資料を目の前にしながらの検討をおこなった。その結果として、民博資料の重要さ、稀少さが指摘された。

その結果を踏まえて一点ずつ資料にあたり詳細なデータをとりながら、さらに確実な研究を進めていく。

今年度は旧東大資料のみならず旧アチックミュウージアムの資料についても検討を及ぼしていきたい。

【館内研究員】 近藤雅樹、笹原亮二、吉本忍
【館外研究員】 上勢頭芳徳、大田静男、大濱憲二、小禄裕子、直美希、中島徹也、宮良みゆき、輿那嶺一子
研究会
2008年7月21日(月)14:00~17:00(沖縄県石垣市立八重山博物館)
2008年7月22日(火)8:30~17:00(沖縄県石垣市立八重山博物館)
2008年7月23日(水)8:30~17:00(沖縄県石垣市立八重山博物館)
大田静男・小禄裕子・佐々木利和「石垣の豊年祭と民俗資料」
2009年2月18日(水)14:00~18:00(国立民族学博物館 第1演習室)
2009年2月19日(木)9:00~12:00(国立民族学博物館 第1演習室)
大田静男、大濱憲二、佐々木利和「民博所蔵の琉球資料について」
研究成果

僅かずつではあるが、人頭税の重要資料である藁算について、地域・種目ごとに調査し、その過程で実際の藁算の作成法について研究を行った。また、旧アチックミュウゼウム所蔵の藁算をはじめ奄美大島宇検村のノロの団扇についても調査を行い、これが新資料であることなどが確認された。また旧東大資料のカイナーズシ棒は現在の沖縄では現存するものが確認されないなどの知見を得ることができた。

また石垣島における豊年祭の様子や、アカマタ・クロマタという秘事についても石垣市の協力を得て、祭儀の場に参加を許され、細部に至るまで確認しえた。なお、アカマタ・クロマタは秘事のため一切の記録が許されない。 昨年度の研究会に引き続き民博所蔵の人頭税関係資料について、資料を目の前にしながらの検討をおこなった。その結果として、民博資料の重要さ、稀少さが改めて確認しえた。その結果を踏まえて一点ずつ資料にあたり詳細なデータをとりながら、さらに確実な研究を進めていく。2009年度は旧東大資料のみならず旧アチックミュウージアムの資料についても検討を及ぼしていきたい。

2007年度

初年度は研究会を5回開催する予定である。

【館内研究員】 近藤雅樹、笹原亮二、吉本忍
【館外研究員】 上勢頭芳徳、大田静男、大濱憲二、直美希、中島徹也、宮良みゆき、輿那嶺一子
研究会
2008年1月11日(金)13:30~17:00(第3セミナー室)
2008年1月12日(土)9:30~13:00(第3セミナー室)
佐々木利和「民博所蔵の人頭税資料について」
2008年2月8日(金)10:30~17:30(国立民族学博物館 大演習室)
2008年2月9日(土)10:00~15:00(国立民族学博物館 大演習室)
人頭税資料の研究
与那嶺一子ほか
研究成果

僅かずつではあるが、人頭税の重要資料である藁算について、地域・種目ごとに調査し、その過程で実際の藁算の作成法について研究を行った。また、旧アチックミュウゼウム所蔵の藁算をはじめ奄美大島宇検村のノロの団扇についても調査を行い、これが新資料であることなどが確認された。また旧東大資料のカイナーズシ棒は現在の沖縄では現存するものが確認されないなどの知見を得ることができた。

昨年度の研究会において、民博所蔵の人頭税関係資料について、資料を目の前にしながらの検討をおこなった。その結果として、民博資料の重要さ、稀少さが指摘された。その結果を踏まえて一点ずつ資料にあたり詳細なデータをとりながら、さらに確実な研究を進めていく。今年度は旧東大資料のみならず旧アチックミュウージアムの資料についても検討を及ぼしていきたい。