国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

平成29年度文化資源プロジェクト一覧

 

 

調査・収集

アイヌならびにアイヌ文化を題材にした写真絵はがき(16組/133枚)を購入した。購入した資料は、古書店から購入するものであるが、発行地やおおよその時代の情報は付随しており、同時代の出版物などと照合した。

 

 

展示

私たち人類が作り出した最高の傑作品の一つとしてビーズをとらえて、つくる楽しみ、飾る楽しみをとおして日本や世界の人びとにとってのビーズの魅力を紹介した。とくに、人類が植物の実、動物の骨、貝殻などの多様な素材を加工してビーズに使用していることから、今回の展示をとおして小さな物(ビーズ)に反映した人類の叡智を伝えることをねらいとした。
本特別展は、人間文化研究機構「日本関連在外資料の調査研究」プロジェクトによるシーボルト父子関係資料の総合的調査の成果をもとに、シーボルトがヨーロッパでおこなった日本展示を紹介するもので、国立民族学博物館開館40周年記念特別展として開催した。
本館が所蔵する、1968年から1969年にかけて「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」(「万博資料収集団」)が収集した世界の諸地域の標本資料、資料収集に関連した書簡や写真等を展示する特別展示会を開催した。あわせて、展示品の解説、資料収集やコレクション形成の過程ならびにそれらの現代的意義等についての論考を収録した図録を刊行した。
平成28年1月19日より平成29年4月11日にかけて、国立民族学博物館企画展「津波を越えて生きる:大槌町の奮闘の記録」を実施した。
2017年に建国150周年を迎えるカナダにおける国家と先住民の関係の変遷を歴史的に検証し、カナダにおける先住民文化の過去、現状そして未来について儀礼具・生活具やアート作品等のモノ、写真、パネル等を用いて紹介する企画展を2017年9月7日(木)から12月5日(火)まで、国立民族学博物館本館・企画展示場において実施する。
北海道を代表する彫刻家の一人で、アイヌとしての誇りを持つ藤戸竹喜氏(1934~)の半世紀以上にわたる創作活動の軌跡をたどるとともに、その背景としてのアイヌ文化をとりまく社会の変化をも紹介した。(公財)アイヌ文化振興・研究推進機構が主催する平成29年度アイヌ工芸品展の道外会場として、同財団と共催で実施した。
標コレクションとは、かつて吉祥寺にあった自家焙煎珈琲専門店『もか』のオーナー、標交紀が生前収集したコーヒー関連の資料である。同コレクションの展示をとおして、中東・北アフリカ地域から世界中へとひろまったコーヒー喫茶文化を紹介した。
平成26年2月〜6月に国立新美術館で開催され、同年秋、本館特別展として開催された「イメージの力 ─ 国立民族学博物館コレクションにさぐる」を巡回展として、平成29年7月22日から9月3日の会期で石川県金沢市の石川県立歴史博物館にて開催した。
2018年度春特別展として、「子ども・誕生―モノからみる子どもの近代」(仮称)」の準備をおこなった。今年度は準備期間として、展示のコアメンバーで展示内容を固め、資料選定の作業を進めた。また、展示内容に合わせて、ゾーニングプランの調整を行った。
「驚異」や「怪異」の表象の展示を通して、人間の好奇心と想像力、自然界・神に対する畏怖の念についての思考を喚起するような展示の構想を練った。具体的には、「人魚」(幻獣)、「犬頭族/犬戎」(異形の民族)、あるいは「彗星」(天変地異)といったテーマを設定し、関連する絵画、書籍、民族資料、映像音響資料の展示構成とした。
米国において宗教的信条に基づき産業化・近代化を問い「簡素な生活」を続ける「プレーン・ピープル」と呼ばれる人びとの暮らしと一般社会との関連について考える素材として、アーミッシュ・キルトのデザインとそのストーリーを提示する企画展に向けて準備を進めた。
文化人類学者片倉もとこによるサウジアラビア現地調査資料(写真ほか)ならびに収集による本館所蔵資料(民具・衣装ほか)と、現地での最新の調査結果にもとづくデータを中心に、物質文化に焦点を当てることで、この半世紀における沙漠環境や社会構造の変化に伴うオアシスでのムスリム女性たちの生活の持続と変容について検証した。
平成30年10月に開催予定の企画展「旅する楽器―南アジア、弦の響き」の準備の一貫として、展示の内容に関する研究会を開催し、熟覧を通して展示資料を選定した。
2018年度秋の特別展の準備をおこなった。今年度は準備期間として、東北歴博で開催した工芸継承展の内容をさらに充実させるための打ち合わせを展示会メンバーでおこない、展示タイトル、展示期間、展示内容を整理した。
2017年4月にタブラーの展示方法、キャプション等について検討し、5月に追加展示の演示作業をおこなった。その後、7月から8月にかけて、新たな展示に合わせて写真パネルの修正について検討し、8月に修正を実施した。

 

 

博物館社会連携

館外の施設で実施可能なワークショップを開発し、平成29年度熊本県立装飾古墳館にて開催されるミュージアムキッズ全国フェアでアウトリーチの試行を行う。その成果、課題、意義を整理し、博物館社会連携専門部会において今後アウトリーチ活動を行う際の条件等を検討した。